韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が1月、「我々の経済が昨年経済協力開発機構(OECD)国家のうち最高の成長率を達成した」と「新年の辞」で強調したが、事実でないことが明らかになった。韓国より高い成長率となった国が次々と出ているからだ。
アイルランド中央統計局(CBS)は5日、昨年の実質国内総生産(GDP)増加率を3.4%と発表した。欧州国家のうち最も高い。韓国(-1.0%)より4.4ポイントも高い数値だ。これに先立ちノルウェーも韓国より高い-0.8%と発表した。ノルウェーは人口10万人あたりの新型コロナ感染者数が欧州でフィンランドに次いで少なく、防疫の成果が表れた。OECD37加盟国のうち、昨年の成長率を発表した国はまだ10カ国ほどにすぎない。
アイルランドがコロナ事態の中でも昨年成長できたのは、外国人直接投資(FDI)誘致戦略のためだと、ウォールストリートジャーナル(WSJ)は伝えた。欧州で最も低い水準の法人税率で多国籍企業の本社を呼び込み、昨年のような危機状況で税収をむしろ増やすことができたということだ。
アイルランドの首都ダブリンにはフェイスブックやアルファベットなど大手技術企業のほか、ファイザーやメルクなど製薬会社もある。世界10大製薬会社のうち9社がアイルランドに進出した状態だ。
アイルランド法人税率(最高税率基準)は12.5%と、OECD平均の23.5%の半分水準にすぎず、韓国(27.5%、地方税含む)に比べてはるかに低い。
コロナ事態以降、アイルランドの労働力の4分の1に支障が生じているが、多国籍企業が出した税金で比較的正常な経済を維持しているというのが、WSJの分析だ。アイルランドに欧州本社を置く多国籍ビッグテックおよび製薬会社の輸出はコロナ事態でむしろ増えたことが分かった。昨年12月のアイルランドの情報通信部門の生産は前年同月比9.7%増加した。
低い法人税率で多国籍企業を誘致してきたアイルランドは、品質管理と信頼度、熟練労働力まで提供し、グローバル製造業のハブとしての地位を固めていると、同紙は説明した。
OECDは昨年12月、全世界50主要国の今年の成長率を予想したが、韓国の予測値は2.8%で29位だった。