韓経:「円安=株高」…日本の30年の公式崩れた


日本の証券市場で30年にわたり続いてきた「円が下がれば日本の証券市場は上昇する」という公式が揺らいでいる。

昨年初めに新型コロナウイルスが世界の金融市場を強打し安全資産とされる円の価値は予想と異なり急落した。下半期には円が着実に上がったが日経平均は下がるどころか30年ぶりの最高値を記録した。今年に入ってからは円が下落しているのに株価は伸び悩む異変が続いている。

日本経済新聞は、新型コロナウイルス流行を契機に金融市場が日本の産業構造変化、米国と日本の金利格差、主要国の財政・金融緩和政策などの材料を普段より積極的に反映し公式が壊れたと診断した。

◇「本当の安全資産はドル」

「円安=株高」は輸出中心である日本の産業構造が作り出した公式というのが一般的な分析だ。自動車や電子など東京証券市場を主導する代表企業のほとんどが輸出企業のため円が下がるほど企業の利益は増え、株価は上がったという説明だ。円は安全資産に分類されるため世界の金融市場が揺れ動けば価値が上がるのがこれまでの傾向だった。

だが、昨年3月の「コロナショック」で世界の証券市場が急落した時に一時的に上がるかと思われた円は1ドル=111.43円まで下落した。世界的な株価急落で資金の流れが滞れば貿易と金融取引決済資金を確保できない可能性もあるという恐怖から真っ青になった投資家が最大基軸通貨であるドルを先を争って買い入れた結果だった。「有事のドル買い」という20世紀金融市場の格言が21世紀に再演され円の地位が揺らいだのだ。

昨年下半期には円と日経平均がともに上昇する2度目の異変が発生した。「円高=株安」の法則が崩れたのは米国の金融政策のためと指摘される。米連邦準備制度理事会(FRB)が景気浮揚に向けゼロ金利政策を長期間持続する方針を明らかにし、米国と日本の金利格差が急激に減った。金利差が減ると投資資金がドルから円に集まり円は上昇しドルは下落した。

円が上がるのに株価が上昇したのは日本の産業構造が変わったためという説明もある。新型コロナウイルスを契機に10年かかると予想されたデジタル化が1年ほどで進み、市場を主導する銘柄が輸出株からIT株にシフトしたということだ。野村証券の池田雄之輔氏は「円相場に左右されないハイテク関連の成長株を中心に急騰する事態が生じた」とした。

◇輸出主導時代去る

今年初めには円安が目立ったのに株価が上がらない3度目の異変が発生した。これはバイデン米大統領の大規模財政緩和政策のためと分析される。インフレの懸念が大きくなり米国の長期金利は今年に入り年1%台後半まで急騰した。日米間の金利差が広がり2日に円は1ドル=110.67円まで下がった。株式市場では主要国が金融緩和政策を縮小し流動性が減るという見通しが力を得た。

円安による株価上昇圧力と流動性縮小懸念が作った下方圧力が力比べをしながら株価が停滞したという説明だ。

市場専門家らは新型コロナウイルス収束後も「円安=株高」の公式は維持されにくいと予想した。労働人口減少と市場飽和を理由に日本企業が生産拠点を海外に移した結果、「輸出大国日本」「貿易黒字国日本」の地位が揺らいでいるからだ。日本の年間貿易収支は2015年以降3回にわたり赤字を記録した。2016年に4兆円に達した黒字規模も1兆円を下回った。このため輸出が日本の金融市場を左右する時代は過ぎ去っているという診断が力を増している。



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