SKの「49%マジック」…現代アイオニック5に中国電気車補助金


アイオニック5
アイオニック5

現代自動車が今年下半期から中国で販売する「アイオニック5」にSKイノベーションが開発したバッテリーを搭載するにもかかわらず、中国電気自動車の補助金を受ける見込みだ。

SKのバッテリーを使用した現代車のアイオニック5が、自国産バッテリーを搭載した車両に限り支給される中国の電気自動車補助金を受ける秘訣は何か。それはSKが中国に進出して現地企業に株式51%を保有させ、SKは49%だけを持つ戦略を使ったからだ。業界ではSKイノベーションが中国政府と現代車が共に満足する「40%のマジック」を見せたという評価が出ている。

財界によると、現代車はアイオニック5(現地名アイニカ)の中国販売分にもSKイノベーションが設計・開発したパウチ型(薄膜形態)リチウムイオンバッテリーを搭載することにした。現代車蔚山(ウルサン)第1工場で量産して国内・欧州などで販売するアイオニック5に搭載されるバッテリーと事実上同じ製品だ。

中国政府は自国産バッテリーを使用した電気自動車に限り補助金を出す政策をとっている。このため2016年からLG化学やサムスンSDI、SKイノベーションのバッテリーを搭載した電気自動車は中国で補助金を受けることができなかった。しかし現代車が今回アイオニック5に搭載するSKイノベーションバッテリーは、SKが中国に設立した合弁会社から納品される。中国企業がこの合弁会社の株式51%を保有するため、中国産バッテリーと認められることになった。

SKイノベーションは8年前の2013年、10億元(約1680億ウォン)を投資し、北京汽車・北京電工などと合弁会社「BESK」を設立した。2019年末から稼働した江蘇省常州のバッテリー工場は、SKイノベーションの持ち株比率が49%、北京汽車など中国企業の持ち株比率が51%。SKイノベーションが筆頭株主だが、持ち株比率は50%を下回る。

SKのパートナーの北京汽車は現代車とも合弁会社「北京現代」を設立した企業だ。北京現代は常州に年間30万台を生産できる自動車工場があり、現代車は現在、常州(北京現代第4工場)や中国中西部の重慶(第5工場)でアイオニック5など電気自動車を量産することを検討している。

ある財界関係者は「常州工場は中国企業の持ち株比率が過半(50%以上)であるため、中国内では自国企業のバッテリーと認められる」とし「SKはバッテリー事業を育成し、現代車は中国の電気自動車補助金を受けることができ、ウィン・ウィン構造」と説明した。

またSKは中国のEVEエナジーともバッテリー事業パートナー関係を結んでいる。SKイノベーションとEVEエナジーは現在、広東省恵州で持ち株比率「49対51」構造でバッテリー工場を運営している。SKイノベーションは昨年末、EVEエナジーの恵州生産法人の株式49%(約3400億ウォン、約330億円)を取得した。EVEエナジーは角型・円筒型バッテリーを生産していたが、SKとの技術協力でパウチ型バッテリーの量産を始めた。恵州で生産されるパウチ型バッテリーも現代車に供給される可能性が高い。

これに先立ち米国でもSKイノベーションは現代車・起亜の現地工場と隣接した米南部ジョージア州にバッテリー工場を建設した。現代車がアラバマ工場に電気自動車生産ラインを設置する場合、SKイノベーションには有利だ。現代車のアラバマ工場とSKイノベーションのバッテリー工場は車で6、7時間の距離にある。



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