3.3%から3.8%に、OECDも韓国の今年の成長見通し引き上げ


経済協力開発機構(OECD)が韓国の今年経済成長見通しを3.8%に上方修正した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が公言した「4%成長」に近い数値で、韓国政府の経済成長目標達成の可能性がさらに力を増す様相だ。だが半導体など一部の輸出好況にともなう錯視に陥らないためには崩れた内需を回復し良質の雇用を作る政策で内実を固めるべきという指摘が出る。

OECDは31日に発表した経済見通し報告書で韓国の今年の国内総生産(GDP)成長率を3.8%と予想した。2カ月前より0.5ポイント引き上げた。今年の世界経済成長率は5.8%と予想する。2カ月前より0.2ポイント引き上げた。

企画財政部のキム・ヨンフン経済分析課長は「2カ月前より世界成長率は0.2ポイント、主要20カ国(G20)は0.1ポイント引き上げたのに比べ、韓国の成長見通しは大幅に引き上げた。韓国経済の最近の速く強い回復傾向を反映した」と説明した。

ただOECDは報告書で、「(韓国は)ワクチン接種の遅れが消費と雇用の回復の障害として作用しないようワクチン接種を加速すべき。経済が堅固な成長経路に復帰するまで被害階層に対する支援など拡張的財政政策を持続すべき」と勧告した。

最近になり内外の経済見通し機関は相次いで韓国経済に青信号をつけた。OECDは昨年11月に発表した今年の経済成長見通し2.8%を3月に3.3%に引き上げた後、この日再度引き上げた。国際通貨基金(IMF)は1月の3.1%から3月に3.6%、アジア開発銀行(ADB)は昨年12月の3.3%で4月に3.5%へそれぞれ引き上げた。

韓国銀行(4.0%)、韓国金融研究院(4.1%)、資本市場研究院(4.3%)、韓国開発研究院(3.8%)など韓国国内の機関もすべて見通しを上方修正した。

問題は錯視現象だ。最近の各種経済指標の改善傾向は政府が莫大な財政を注ぎ込んだおかげという分析が多い。

統計庁によると、1-3月期の世帯当たり月間平均所得は438万4000ウォンで、前年同期比0.4%増えた。だが国が払う新型コロナウイルス災害支援金と公益支払金、基礎年金などのような公的移転所得が27.9%増加した影響が大きい。同じ期間に勤労所得は1.3%、事業所得は1.6%減った。1年前より65万2000人増えた4月の就業者も30~40代では減少した。青年の体感失業率は25.1%を記録した。

野村証券のパク・ジョンウ研究員は28日に発刊した報告書で「韓国銀行が新たに提示した成長見通しはとても楽観的。韓国の高い半導体依存度が不安定な経済ファンダメンタルズを隠している」と懸念する。

米国の基準金利引き上げの可能性など量的緩和出口戦略が本格化するリスクに備えるにはファンダメンタルズを引き締めるのに注力すべきという指摘が出る。特に質の良い雇用が支えなければ景気回復の実質的なカギである民間消費と内需の反騰は期待しにくい。

漢城(ハンソン)大学経済学科のキム・サンボン教授は「政府がインフレの火を消すために金利引き上げに出る場合、どうにか生き返った景気回復の火種が消えかねない。ワクチン接種速度を速めて内需を回復させ、財政雇用の代わりに成長可能性がある産業に投資し、規制を緩和し企業が雇用を作れるようにしなければならない」と助言した。



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