サムスン電子が今年4-6月期に11兆ウォン台の営業利益を出す可能性があるという予想が出ている。金融投資業界がサムスン電子の業績を上方修正し、株価10万ウォンに対する期待感も高まっている。
金融情報会社エフエヌガイドによると、サムスン電子の4-6月期の営業利益予測値は10兆3888億ウォン(約1兆200億円)。主要証券会社が過去3カ月以内に推定した数値の平均だ。前年同期(8兆1463億ウォン)比27.5%増、今年1-3月期(9兆3829億ウォン)比10.7%増という数値だ。一部の証券会社は11兆ウォン台の営業利益も可能とみている。イーベスト投資証券は11兆ウォン、新韓金融投資は11兆3190億ウォン、日本系の野村証券は11兆7000億ウォンと予想した。
こうした楽観論の根拠は半導体部門の善戦だ。証券業界はDRAM価格が予想より速く上昇し、サムスン電子の収益改善を牽引すると見込んでいる。サムスン証券によると、モバイルDRAMの場合、米国の大手企業と供給者が今年7-9月期の価格を前期比20-25%引き上げて契約している。当初の予想(10-15%引き上げ)を上回るという分析だ。年初の米テキサス州の記録的な寒波で停止したオースティン工場が正常稼働し、出荷量が増えたのも好材料と見なした。新韓金融投資のチェ・ドヨン研究員は「停止したオースティン工場が正常稼働し、非メモリー出荷量が回復していて、業績の推定値を引き上げた」と述べた。
これを受け、サムスン電子の株価も今月に入って8万ウォン台を回復し、さらに上昇すると予想される。グローバル投資銀行クレディ・スイス(CS)は3日の報告書で「(在宅勤務していた)会社員が職場に戻り、パソコンの需要が企業用に移っている。企業用サーバー顧客のおかげで7-9月期のDRAM需要が回復している」とし「DRAMの平均価格はさらに上昇するだろう」と分析した。
メリッツ証券のキム・ソンウ研究員は「メモリー半導体は販売者優位の市場であり、下半期の利益成長が予想される」とし、サムスン電子の目標株価を10万5000ウォンに維持した。
野村証券のチョン・チャンウォン韓国リサーチセンター長は「年初のオースティン工場火災、生産設備不足の懸念があったが、今月からはすべての生産施設が正常化に向かう」とし「DRAMは昨年10-12月期、NAND型フラッシュメモリーは今年1-3月期に底点を通過し、2023年までスーパーサイクル(超好況)が続くだろう」と予想した。同社はサムスン電子の目標株価を11万ウォンに引き上げた。