車載用半導体不足の影響で先月の自動車生産が昨年水準に戻った。半導体不足問題は今月からやや緩和する見通しだが、完全な回復まではさらに時間がかかるものとみられる。
産業通商資源部が13日に発表した「5月の自動車産業動向」によると、先月の国内自動車生産は25万6272台で前年同月比10.9%増加した。新型コロナウイルスの感染拡大で生産に影響が出た昨年より多少増えたが、昨年8月の23万3357台以降で最も少なかった。
自動車生産は世界的な景気回復により3月に33万3848台、4月に32万3644台と2カ月連続で30万台を超えた。だが最近の車載用半導体需給難の余波で先月は20万台半ばに再び落ち込んだ。
5月の自動車総生産のうち輸出用車は15万894台で前年より57.5%増えた。だが新型コロナウイルスで昨年5月の自動車輸出が9万5400台で前年より57.6%急減した点を考慮すると原状回復水準だ。2019年5月の22万6096台を大きく下回る。内需用車両生産は15万1699台で前年より10.1%減った。
業界関係者は「車載用半導体不足の影響で韓国の自動車メーカーで生産に影響が出たのは先月だけで約2万5000台」と話した。
自動車業界では車載用半導体需給難が短期的に最悪の山場は越えたとみている。車載用半導体企業が最近生産量を例年水準に引き上げたためだ。実際に半導体不足で最も大きな生産支障が出た韓国GMの富平(プピョン)工場と昌原(チャンウォン)工場は今月から稼動率を50%から100%に引き上げた。だが完全な回復は年末まで厳しいだろうという分析が多い。半導体不足への不安から半導体を多めに確保しようとする企業の需要が増えている上、半導体供給回復までは時間がかかるためだ。
産業研究院のキム・ヤンペン研究委員は「半導体産業の特性上、需要が増えても実際の生産量がこれに合わせるには6カ月ほどかかるため、供給不足は下半期も続く恐れがある」と話した。半導体不足により新車発売が遅れ中古車価格も上がった。
中古車取引専門業者AJセルカーによると、先月の中古車相場は前月比で平均6.1%以上上昇した。大林(テリム)大学未来自動車学部にキム・ピルス教授は「中古車価格が上がっただけに自動車メーカーが基本オプションを減らしたり、もともとあった割引を廃止して実質的に価格を上げる方向に進む可能性が大きい」と話した。