韓経:「最低年俸3億ウォン保証」…韓国人材引き抜き「非常事態」(1)


4月にソウルのCOEXで開かれたワールドITショーを訪れた市民がSKテレコムが公開したバーチャルリアリティ(VR)サービスを楽しんでいる。ホ・ムンチャン記者
4月にソウルのCOEXで開かれたワールドITショーを訪れた市民がSKテレコムが公開したバーチャルリアリティ(VR)サービスを楽しんでいる。ホ・ムンチャン記者

第4次産業革命の核心走者として浮上するメタバース産業の技術人材が海外に相次ぎ流出している。サムスン電子、SKテレコム、LGユープラスなど韓国主要企業のARコンテンツチーム長、首席研究員などの核心人材まで転職の隊列に加わった状態だ。いままさに胎動を始めたばかりの韓国のメタバース産業が実を結ぶ前に枯れるかも知れないとの懸念が出ている。

メタバース業界関係者は14日、「この3年間に韓国企業から外国企業に転職したS級メタバース研究人材は少なくとも20人を超える」と話した。続けて「特に韓国の拡張現実(XR)市場はごく初期成長段階のため専門人材需要が爆発する直前だが、優秀人材が続々と流出しており困難が加重される悪循環に陥っている」とした。科学技術情報通信部の最近のアンケート調査によると、XR企業の52.9%が最も大な困難として専門人材不足を挙げた。メタバースは現実のようにリアルで多様な活動が可能な3次元仮想世界を意味する。拡張現実(AR)とバーチャルリアリティ(VR)を合わせたXRは仮想世界に現実のようなリアルさを加える技術で、メタバース産業の核心に選ばれる。2024年までに世界市場規模が1368億ドルに達すると期待される次世代産業の戦場だ。

韓国の核心人材が向かうのはほとんどがグーグル、アップル、フェイスブック、マイクロソフトなど米国のビッグテック企業だ。2014~2015年から技術と人材確保に力を入れ始めたこれら企業は大学院生まで「青田買い」している。韓国のXR・光学分野の最高権威の1人であるソウル大学電機電子工学部のイ・ビョンホ教授の研究室だけで最近研究員2人がフェイスブックに転職した。XR企業関係者は「多くの企業が年俸3億ウォン(約2947万円)以上を保証し、研究インフラまで良いため転職を防ぎにくい」とした。

◇韓国企業からビッグテックへの転職急増…フェイスブックのXR人材だけで1万人超える

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は2014年に「バーチャルリアリティ(VR)技術はモバイルの次のプラットフォームになるだろう」と予言した。アップルのティム・クックCEOも2016年に「拡張現実(AR)技術はアプリストアほど重要になるだろう」と述べた。

もちろんまだ彼らの予想は実現されていないが、予言を現実化させるための投資レベルはますます強まっている。フェイスブック、アップル、グーグル、マイクロソフトなどのいわゆるビッグテック企業は有望企業を片っ端から買収するだけで足りず、韓国を含む世界から優秀人材を引っこ抜いている。メタバース産業の核心であるAR・VRなど拡張現実(XR)市場が米国ビッグテック企業の「独壇場」になるかも知れないとの懸念が出ている理由だ。

◇XRベンチャーをショッピングするように買収

「XR市場を掌握する」というビッグテック企業の野心は買収合併で端的に現れている。フェイスブックはAR・VRという言葉になじみがなかった2014年にVR機器メーカーのオキュラスVRを買収した。その後しばらく静かだったフェイスブックのXR企業買収は2019年から再び火がついた。2019年以降コンピュータビジョン開発会社のスケープテクノロジー、VRゲーム開発会社ビットゲームズ、サンザルゲームズ、レディアットドーン、ダウンプアインタラクティブ、神経インターフェース開発会社のコントロールラボなどメタバース企業を買収した。

韓経:「最低年俸3億ウォン保証」…韓国人材引き抜き「非常事態」(2)



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