新技術開発力を持つ教授や修士・博士級人材の創業活性化に向けては人事評価で研究とともに事業化なども反映すべきという指摘が出された。国際学術論文表紙と合成したイメージ。[中央フォト]
ただひとつだけ2等級、残りは死蔵特許。
政府出資機関所属の1万人余りが今年登録した特許技術の現住所だ。事業化につなげるにはとても不足しているというのが専門家の指摘だ。
政府出資研究所を掌握する国家科学技術研究会(NST)によると、2016~2020年の5年間に政府出資研究所が出願した特許件数は3万9263件だった。このうち特許庁に登録された特許件数は2万6513件だ。1日平均14~15件で特許を登録した計算だ。
韓国は2019年基準で国内総生産(GDP)1000億ドル当たりの特許出願件数が7779件で世界1位だ。2位である中国の5520件より2000件以上多い。だが成果は「落第生」水準だ。特許や論文は多いが「お金になる事業」につなげられずにいる。政府研究開発事業費の70%が集中する大学と出資研究所が特にそうだ。特許庁が知識財産活動実態を調査した結果によると、2018年基準で国内特許14万1361件のうち活用されている件数は57.2%の8万823件にとどまった。死蔵された未活用特許は42.8%の6万503件だった。企業の特許活用率は90.9%だったが大学と出資研究所では33.7%にすぎなかった。
実際に大韓弁理士協会が特許等級評価システムを通じて今年19の出資研究所が特許庁に登録した384件の特許を分析してみたところ、10件中6件は死蔵特許だった。弁理士446人が、出資研究所が出願した特許の有効性と範囲・レベルを基準に10等級に分類したところ、最も優秀な1等級は1件もなかった。2等級が1件(0.3%)、3等級が25件(6.5%)だった。半分以上の58.8%が5等級・6等級だった。大韓弁理士協会のホン・チャンウォン会長は「事実5・6等級特許は企業が必要で買い入れるほどの魅力がない死蔵特許やお飾り特許水準。血税が投じられる国家研究開発事業がそれだけ非効率的という意味」と指摘した。
韓国政府もこうした問題点を認めている。キム・ヨンレ特許庁長は昨年8月に就任し「韓国は世界1位水準のGDP比研究開発投資と人口比研究人材を持っているが成果は低調だ」と話した。いわゆる「コリア研究開発パラドックス」だ。
◇「創業者の連帯保証なくし教授兼職関連規制解かなければ」
経済協力開発機構(OECD)が発表した科学技術指標(MSTI)によると、2019年基準で韓国のGDP比の研究開発費用の割合は4.53%でイスラエルの4.94%に続き2位だ。韓国は2010年から10年にわたり2位を維持している。