60億ユーロのチェコ原発受注競争…ライバルのロシア脱落、今後は韓米仏の外交戦


文勝ウク(ムン・スンウク)産業通商資源部長官と鄭載勲(チョン・ジェフン)韓国水力原子力社長が18日(現地時間)、チェコ産業通商省で開かれた「韓国-チェコ原発および先端産業分野協力強化のためのMOU締結式」に出席した。 産業通商資源部
文勝ウク(ムン・スンウク)産業通商資源部長官と鄭載勲(チョン・ジェフン)韓国水力原子力社長が18日(現地時間)、チェコ産業通商省で開かれた「韓国-チェコ原発および先端産業分野協力強化のためのMOU締結式」に出席した。 産業通商資源部

チェコ新規原発の受注戦が韓国・米国・フランスに絞られり、韓国企業の期待感が高まっている。特に韓国は米国・フランスと比べて最近も海外の原発を建設した経験があり、受注戦で優位という評価だ。

産業通商資源部によると、文勝ウク(ムン・スンウク)産業通商資源部長官と鄭載勲(チョン・ジェフン)韓国水力原子力(韓水原)社長は18日(現地時間)、チェコのアンドレイ・バビッシュ首相に会い、本格的な原発受注活動を始めた。

チェコ政府はドゥコバニとテムリンに2040年までに1000メガワット級の原発1-2基を建設する計画だ。このうちドゥコバニ原発1基を来年までに発注する。事業費だけで60億ユーロ(約7660億円)で、来年から2023年の間に入札で発注先を最終決定する計画だ。

もともと韓国がチェコ原発を受注する可能性は高くなかった。伝統的に東欧国家は大規模な借款を支援するロシアに原発建設を発注してきた。しかし4月にチェコ政府が安全保障を理由にロシアと中国を新規原発事業潜在供給国から排除し、状況が変わった。

チェコをはじめとする東欧国家は原発のほか天然液化ガス(LNG)でもロシアへの依存度が高く、こうした状況から抜け出すべきだという世論があった。さらに最近はロシアがチェコ電力公社の職員から入札核心情報を不法入手した事実が発覚し、反露情緒が強まったのが決定打となった。

韓水原によると、早ければ今月中にチェコ政府は韓国と米国、フランスに入札資格審査に該当する安全保障評価質問書を発給する計画だ。実際、バビッシュ首相は文勝ウク長官と会った際、「韓国は安全保障のリスクがなく、中国・ロシアのチェコ原発事業参加に反対した野党も反対の意思を表明していないため、韓国の入札参加に問題はないだろう」と明らかにした。

◆韓国原発、最新の海外建設経験に低費用

韓国の原発の技術力はすでに世界最高レベルだ。特に競争国と比べ、最新の海外原発建設経験がある。韓水原と重工業が参加したアラブ首長国連邦(UAE)バラカ原発は今年4月に商業運転を開始し、運営中だ。

一方、韓国と競争する米国とフランスは原発の竣工日も合わせることができないなど建設能力が劣ると評価される。実際、仏アレバが2005年に受注したフィンランドのオルキルオト原発は計画より10年も遅れた。米ウェスチングハウスも米カリフォルニア州サマー原発とジョージア州ボーグル原発の建設が5年遅れた。

韓国の原発は価格競争力もある。チェコ公営放送ラディオジュルナルは「韓水原の1キロワットあたりの建設費用は3717ドルと、フランスの7809ドルの半分で、米国の1万1638ドルの3分の1」と報じた。慶煕大のチョン・ボムジン原子力工学科教授は「米国とフランスの会社は原発建設生態系が事実上崩れていて、技術力がある韓国企業が有利な状況」と説明した。

◆「原発受注国対抗戦…大統領が動くべき」

しかし専門家は、有利な状況にもかかわらず韓国の原発受注を楽観できないと指摘する。原発受注戦は国力に基づいた国家対抗戦であり、変数が多いからだ。

特に欧州で原発建設・運営の経験がない韓国には、欧州に原発を輸出してきたフランスが強力なライバルとなる。自国原発産業復活を推進する米国のバイデン政権も国力を前に出して受注戦に臨めば、韓国企業には脅威となる。最近、韓米は海外原発市場共同進出に合意したが、入札参加企業間の競争を希望するチェコ政府の立場を考慮して今回は韓米が独自に参加することにした。

韓国国内の脱原発政策も原発輸出産業に障害となる。原発は建設して終わるのではなく、運営と維持保守管理まで50-100年の長期契約産業だ。このため持続的な技術移転および管理が重要となる。しかし脱原発で国内原発産業生態系が急激に縮小する状況で、韓国企業に任せることができるのかという指摘が出てくる。

中央大エネルギーシステム工学部のチョン・ドンウク教授は「炭素中立に向けて東欧国家の原発建設が今後さらに拡大するため、チェコ原発の受注はいつよりも重要な意味を持つ」とし「もう脱原発政策は意識せず、大統領が自ら原発輸出のために積極的に動く必要がある」と助言した。



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