1ドル=1150ウォン台に迫る、ウォン安どこまで


先週のソウル外国為替市場でウォン相場は9日終値で1ドル=1149.1ウォンまでウォン安が進んだ。9日には一時1150ウォンまで下がったりもした。投資家の間でリスク回避心理が強まったことが世界の金融市場でドル高となった原因に挙げられる。韓国で新型コロナウイルスの感染者が大幅に増えたこともドル高ウォン安をあおった。

12日には雰囲気が若干変わった。この日ソウル外為市場でウォン相場は前日より2.1ウォン上がり1ドル=1147ウォンで取引を終えた。だが専門家の間ではドル高ウォン安の大きな流れが変わったとみるには難しいという見方が優勢だ。

下半期にウォンの価値を引き下げる恐れのある最初の変数としては新型コロナウイルスの国内大流行の可能性を挙げられる。中央災害安全対策本部によると新型コロナウイルスの新規感染者は6日連続で1000人を超えた。感染症拡散の恐怖が大きくなれば投資家の間でドルなど安全資産選好傾向が強まる可能性がある。

中国の動きも外為市場の重要な変数だ。中国の中央銀行である人民銀行は9日に15日から金融機関の預金準備率を0.5ポイント引き下げると明らかにした。銀行は預金の一定の割合(支払準備率)を中央銀行に義務的に預けなければならない。中央銀行が支払準備率を低くすれば銀行は貸付顧客にさらに多くの資金を貸すことができる。今回の中国の支払準備率引き下げで金融市場には1兆元(約17兆円)が追加で放出されるものと専門家らは試算した。

中国が金融緩和を決めるとアジアの主要証券市場は歓迎した。12日の韓国総合株価指数(KOSPI)は前日より0.89%上がった3246.47で取引を終えた。日本の日経平均は2.25%、香港のハンセン指数は0.62%上昇した。

米中央銀行の米連邦準備制度理事会(FRB)の動向も外為市場に及ぼす影響が大きい。FRBの中ではインフレ(物価上昇)を考慮してテーパリング(資産買い入れ縮小)を議論すべきという声が出ている。いつかFRBが緊縮に向かって通貨政策の方向を変えればドル高をあおる要因として作用する。米労働省が13日に発表する先月消費者物価上昇率に内外の専門家が注目する理由だ。

最近の新型コロナウイルスの感染再拡大が韓国銀行の通貨政策基調にどのような影響を及ぼすのかも関心事だ。一般的に韓国銀行の基準金利引き上げは外為市場でウォン高要因として作用する。すでに韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は下半期の金利引き上げの可能性を強く示唆している。だが韓国銀行が新型コロナウイルス感染再拡大を考慮し金利引き上げ時期を遅らせることもできるというシグナルを送るならばドル高ウォン安が現れる可能性もある。韓国銀行は15日に金融通貨委員会を開き通貨政策方向を議論する予定だ。

未来アセット証券は中長期的にウォンが1ドル=1175ウォンまで下がることもあると予想する。同社のパク・ヒチャン研究員は「(米国の)物価は早く安定し難い。(米国でも)住宅価格急騰で住宅市場のバブルが再燃する懸念が大きくなっている」と話した。

別の意見もある。新韓銀行エコノミストのペク・ソクヒョン氏は世界の金融市場がすでにFRBのテーパリングの可能性を反映して動いていると見た。その上で「(テーパリングが)ドルの急な上昇につながるのは難しい」と話した。



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