◇コンテナ船運賃も過去最高値に
世界的物流大乱が発生しコンテナ船の運賃も大きく上昇した。運賃上昇は今年に入ってからも持続している。米西岸路線運賃は1FEU(40フィートコンテナ1個)当たり5334ドルに上昇した。過去最高値だ。欧州航路運賃も1TEU当たり7032ドルを記録した。コンテナ海上運送料水準を示す代表的指標である上海コンテナ運賃指数(SCFI)は16日に4000を突破し最高値を更新した。
輸出船舶運賃の上昇要因は複合的だ。米国と中国の経済対立に新型コロナウイルス、スエズ運河事故など多様な悪材料が重なったというのが一般的な解釈だ。貿易協会のチョ・ソンデ研究委員は「コロナ前に長期沈滞を経験した海運業は積極的な船舶発注に出なかった。コロナで一時的な萎縮後に急激に増えた船腹需要に供給が追いつけなかった」と話した。
ここに新型コロナウイルスでコンテナ船スケジュールが混乱した。決まったスケジュールに沿って港と港を行き来して物を運ぶコンテナ船は一般的に路線バスに例えられるが、新型コロナウイルスの感染拡大以降に港湾作業者が出勤できなくなり決められスケジュールが崩れ始め、その余波がいまだ続いている。米国から始まった港湾の稼働停止は世界的に拡散しバタフライ効果を起こしたのだ。ここに3月のスエズ運河事故が物流難を加重させたということだ。
◇コンテナ船に続きばら積み船不足に拡大
輸出船舶不足はコンテナ船に続きばら積み船に拡大している。貨物専用船と呼ばれるばら積み船は契約により港から他の港へ商品を運ぶ。自動車と重装備、鉄鉱石などが常連商品だ。コンテナ船が路線バスならばばら積み船はタクシーに例えられる。増えた流動性から始まったリベンジ消費がばら積み船不足現象を生んでいる。
ばら積み船運賃価格を示すバルチック海運指数(BDI)は今月に入り3000以上を記録しており、1000以下にとどまっていた昨年上半期より3倍以上上昇した。韓国のある重装備生産企業関係者は「輸出船舶を確保できず決まっている輸出量のうち一部を1カ月後に回したりもする」と話した。
◇船舶運賃下半期も高止まり続きそう
専門家さえ輸出船舶運賃を予測しにくい状況だ。下半期までは上昇が続くだろうという見通しが多いが、上昇がいつまでに続くのかは容易に見通し難い。デルタ株と原油価格上昇に加え原材料価格上昇など運賃価格に影響を及ぼす変数が多くなったためだ。海上運送業界関係者は「コロナ直前には世界のコンテナ船の10~15%は商品を船積みできず海上で待機していたが、いまは待機する船舶が世界的に見つからないほど」と話した。
仁荷(インハ)大学アジア太平洋物流学部のチョン・ホサン教授は「原油価格上昇と原材料価格急騰で運賃指数の高止まりは下半期まで続くものとみられる。物流費負担が相対的に大きい輸出中小企業を相手に政府が税制優遇など政策的支援に出なければならない」と話した。
輸出品運ぶ船がない…コンテナあふれる駐車場が倉庫になった=韓国(1)