受験生刺傷事件を受け、東京大付近の路上を調べる捜査員=15日(EPA時事)
東京大前の路上で3人を包丁で切り付けたとして逮捕された名古屋市の少年(17)が在籍する愛知県の高校は、国公立大医学部への進学実績を誇る進学校だ。
教頭は16日、取材に「真面目で勉強を頑張っていた生徒だけに、担任も事件には大きなショックを受けたようだ」と話した。
学校側によると、同校は生徒会活動が活発で、少年は昨年、役員に立候補。落選したが、生徒会メンバーとして残り、校内新聞の編集作業などに熱心に取り組んでいた。教頭は「勉強以外のことにも関心を持ち、精力的に真摯(しんし)に活動していた」と振り返った。
生徒は昨年9月、成績の悩みを担任に相談していた。大学受験の最難関とされる東大理科3類を目指していたが、成績が思うように上がらず、校内では中下位にとどまっていたという。少年は「このままだとかなり厳しい」と話し、担任は「頑張れ」などと声を掛けたという。
教頭は「なぜそんなに自分で追い詰めてしまったのかと生徒に聞きたい。残念でならない」と声を落とした。
学校側は16日、受験生や保護者らに向け、「ご心配をお掛けし、学校としておわびします」とのコメントを発表した。