天皇皇后両陛下は11月8日、9日の両日、三重県を訪問されました。9日に開催された「第44回全国豊かな海づくり大会」にご出席されるのに先立ち、8日には鳥羽市の鳥羽水族館をご視察。現在は同館に2匹のみとなったラッコや、絶滅危惧種のジュゴンなどを熱心にご覧になりました。この訪問中、皇后雅子さまのファッションが注目を集めました。全身をブラウン系のワントーンコーデでまとめられ、手元にはイタリアを代表するブランド「フェラガモ」のバッグをお持ちでした。
雅子さまが愛用される「時の証」フェラガモのバッグ
雅子さまがお持ちになっていたフェラガモのバッグは、昨年10月の「『清流の国ぎふ』文化祭2024」開会式にご出席のため岐阜県をご訪問された際にも拝見されたものです。このバッグは、実は雅子さまが長きにわたりご愛用されている「時の証」とも言える一品だといいます。ある皇室ジャーナリストは、「ご成婚された1993年11月に徳島県で開催された『全国障害者スポーツ大会』でも、雅子さまは同じバッグをお持ちでした。まるで新品のように見えるほど美しく保たれており、日頃から丁寧な保管とお手入れをされているのでしょう」と語っています。
三重県をご訪問中の雅子さま。ブラウン系のワントーンコーデにフェラガモのバッグをお持ちになっている。
皇室に息づく「良いものを長く」という美学
外交官であるお父様をお持ちになり、海外での生活が長かった雅子さまは、フェンディやディオールなど、海外製のブランドをご愛用されている印象が強いです。しかし、そこには単なるブランド志向にとどまらない、深い美学が息づいています。前述のジャーナリストは、「雅子さまは、良いものを長く大切にお使いになられる美学をお持ちなのでしょう。『モノには魂が宿る』という精神を大切にされているとお見受けします。そうしたお考えそのものが、雅子さまなりのお洒落なのでしょう」と分析します。
ファッションにおいても「サステナブル」を重んじられる雅子さまの姿勢は、他のアイテムにも見られます。例えば、1996年10月の「全国育樹祭」で披露されたロイヤルブルーのスーツは、2018年11月の同大会でもお召しになり、2020年にも再び登場しています。流行に左右されず、品質の良いものを丁寧に使い続けるその姿勢は、持続可能性という現代社会の重要なテーマにも通じています。
愛子さまへ受け継がれる「品格のバッグ」
この「良いものを長く大切に使う」という雅子さまの心は、長女である愛子さまにもしっかりと受け継がれています。今年9月8日、3日間にわたる新潟県への公式訪問の最終日、小千谷市の「錦鯉の里」や長岡市の「やまこし復興交流館おらたる」をご視察された愛子さまは、白いセットアップにオフホワイトのバッグをお持ちでした。
このバッグは、2024年5月に愛子さまが初めて単独公務に臨まれた際にお持ちになっていたものですが、もともとは雅子さまがご使用されていた愛用品です。雅子さまは2002年6月、国立成育医療センターの開設記念で行われた国際シンポジウムにご出席された際にもこのバッグをお持ちでした。白色のバッグは一般的に汚れが目立ちやすいものですが、こちらもまた新品同様の輝きを放っているのが印象的で、親から子へと受け継がれる大切さと共に、丁寧に手入れされてきた証と言えるでしょう。
雅子さまの洗練されたセンスと、良いものを慈しみ、長く大切にするという美学は、これからも多くの国民を魅了し続けることでしょう。愛子さまがその精神を受け継ぎ、次代に伝える姿もまた、私たちに深い感銘を与えています。




