大学入学共通テストの本試験が1月15・16日に、全国の国公私立大学などを会場に実施されます。大手予備校は大学入試センター試験にかわって初めて実施された2021年度より平均点が低下すると予測しています。
大学入学共通テスト2022 2日間の時間割
昨年は「予想外」に平均点上昇
昨年の共通テストの平均点は、多くの科目で前年の大学入試センター試験を上回りました。事前に2度行われた試行調査(プレテスト)では、センター試験に比べて難化が指摘されましたが、本番は試行調査よりも解きやすい出題となりました。
大学入学共通テストの時間割(駿台教育研究所提供)
駿台教育研究所の石原賢一・進学情報事業部長は「驚くほど平均点が高くなりました。数学2Bは2002年以来の6割近くの59.9点、倫理は72点と2009年以来の高さです。実は、1990年に大学入試センター試験が導入されたときも同じようなことがありました」と話します。
5教科平均点も前年のセンター試験より上がりました。「2022年度の共通テストは前年より難しくなると予想されていますが、『難化』ではありません。センター試験のレベルに『戻る』だけです。去年が高すぎでしたからね。平均点540~550点はキープするはずなので、2022年度も極端に難しくなることはないでしょう」(石原さん)
2022年度大学入試のスケジュール(駿台教育研究所提供)
各科目の傾向はどうなるのでしょうか。「昨年の英語は、リーディングの問題文が1000語ほど増えて長すぎました。22年度は短くなるのではないでしょうか。リスニングは、東大受験生でも100点満点換算で5点ほど平均点が下がりました。私立文系では20点ほど下がりました。今年は問題が調整され、受験生側も共通テストの傾向にあわせた対策をするので平均点が上がるでしょう」
国語では、共通テストの設計段階で行われたプレテスト(試行調査)で契約書や生徒会の会議資料など「実用文」が題材にされましたが、昨年の試験では出題されませんでした。試験実施1年前に「記述式」出題が取りやめになり問題構成が見直された影響とみられます。「国語では、2021年は出題されなかった『実用文』を素材とした問題や、古文と漢文の融合問題が出る可能性があります」(石原さん)
数学では、「2021年度は計算量が少ないなど簡単な問題だったので、それはセンター試験レベルの難易度に戻るはずです」と予測します。
高校生新聞社