マンガは、「無神経な夫」のツイートに「ママ垢」のいら立ちが頂点に達したところから始まります=紅白もち子さん提供
連載『父親のモヤモヤ』
銃を手にした軍服姿の「ママ垢」と「パパ垢」が塹壕に入って向き合い、一触即発の状態――。子育てについてつぶやくツイッターの育児アカウント(垢)を擬人化し、「戦い」になぞらえたマンガが、人気を集めました。作者は、産後うつや夫との対立も経験した2児の母親です。夫婦間の「戦い」がテーマのマンガに秘められた「平和」的なことは?(朝日新聞記者・高橋健次郎)
【マンガ全編】〝無神経な夫〟に一触即発。「マタ垢」の出産に両軍は一時的になごむも、衝撃の結末
「名作」生んだ2児の母親
マンガのタイトルは「割と最近の育児垢の様子」。昨年10月にツイッターで公開され、1万7千件の「いいね」を集めました。
「名作」「パワーワードしか出てこない」といったコメントが並んでいます。
作者は紅白もち子さん(@kouhaku_mochiko)です。
国際結婚して現在はスイスに在住。4歳の長男と2歳の長女を育てています。
「無神経な夫」にいら立ち
マンガは、「イクメン」を気取る「一部のパパ垢」や、妻に対する愚痴をこぼす「無神経な夫」のツイートに「ママ垢」のいら立ちが頂点に達したところから始まります。
作者「対立する意見つらい」
一方で、対峙する「パパ垢」からは、「育児の苦楽を共にする同志ではなかったのか…」と戸惑いの声が漏れます。
作者の紅白もち子さんは「ツイッターで見かけた話題や議論を元にマンガを描きました」と話します。
ところが、こうも述べます。
「対立するパパとママの意見を見るのは自分の経験を顧みてもつらいです」
どういうことでしょうか。
ベッドから起きられない
紅白もち子さんは、約2年半前、長男が1歳8カ月、長女が生後3カ月の時に産後うつと診断されました。家事や子育てへの関わりをめぐって夫との対立も経験し、現在は別居しています。
ツイッターで散見される夫婦間の衝突に、自身の経験を重ね心を痛めているのです。
医療機関を受診する前、症状は重くなっていました。
第2子の長女出産後、味を感じなくなり、ひどい肩こりや頭、おなかの痛みを覚えはじめました。体はだるく、ベッドから起き上がれなかったそうです。