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1月31日から始まった、金沢市片町で発生したひき逃げ死亡事件の裁判員裁判。
被告の元少年から、反省の弁はなかった。
【画像】ひき逃げ死亡事故の発生現場となった交差点周辺
当時19歳の元少年 70代女性を死亡させ逃走か
事件は2020年のクリスマスの日の翌朝、12月26日の午前6時半過ぎに発生した。
起訴状によると、当時19歳の元少年は金沢市中心部で酒に酔った状態で車を運転。
男性をはねた直後に、赤信号を無視して交差点に進入。70代の女性をはね、死亡させて逃走。
危険運転致死罪や飲酒の事実を隠そうとしたアルコール等影響発覚免脱罪など、4つの罪に問われている。
初公判で、うつむきながら法廷に入ってきた元少年。
起訴内容について沈黙のあと、こう答えた。
元少年:
アルコールの影響で運転はしていません
裁判長:
あとはどうですか?
元少年:
……。信号無視をするつもりはありませんでした
危険運転などについて、起訴内容を一部否認した。
検察側「酒を一気飲みして運転」…逃走後に車乗り捨ても
続く冒頭陳述。
検察は、元少年が男女7人でカラオケボックスを訪れ、酒を一気飲みしていたことから、アルコールの影響はあったとしたうえで、「元少年は逃走後、車を駐車場に乗り捨てていた」「同乗していた友人の話などから、発覚を免れる目的があった」と指摘した。
さらに、「男性をはねたおよそ8秒後に、時速60km以上で交差点に進入していて、赤信号を一切意に介さず運転していた」と述べ、危険運転致死罪が成立すると主張した。
一方、弁護側はアルコールの影響について、「元少年は事故前に発泡酒を1缶しか飲んでいない」と主張。
事故の7時間半後に行われた警察の検査で、アルコールが検出されたことについては、「平静を装うため、自宅で発泡酒を飲んだ」として、運転時にアルコールの影響はなかったと主張した。
また最初に男性をはねた際、元少年が何かと接触したことに気を取られてしまったとし、「赤信号をことさら無視しようとしたわけではない」として、危険運転致死罪には当たらず、過失運転致死罪にとどまると主張した。
裁判は10日間の日程で行われ、3月7日に判決が言い渡される予定。
(石川テレビ)
石川テレビ