静岡・浜松ガールズバー殺傷事件 深夜の惨劇、常連客の男逮捕「刺した」

静岡県浜松市中央区のガールズバーで発生した殺傷事件で、常連客の男が店長と従業員を刃物で襲い、2人が死亡した。この痛ましい事件は、繁華街に衝撃を与えている。警察は男を現行犯逮捕し、現在、殺人の容疑で詳しい動機などを捜査している。

容疑者の身元と「アフター」を巡るトラブル

逮捕されたのは、袋井市愛野東に住む無職、山下市郎容疑者(41)だ。彼は事件のあったガールズバーの常連客とみられている。山下容疑者は警察の調べに対し、「刺したことに間違いない」と容疑を認めているという。

捜査関係者によると、山下容疑者は亡くなった従業員の伊藤凜さん(26)に過去に好意を寄せており、「アフター」(営業時間外の付き合い)に誘ったものの連絡が取れなくなったことに腹を立て、トラブルになっていたとされる。これが犯行の動機の一つになった可能性がある。

特殊な刃物を使った犯行の状況

山下容疑者は、刃がブーメラン状に曲がった「ククリナイフ」と呼ばれる特殊なナイフ2本(ともに刃渡り約20センチ)を両手に持ち、店内に侵入した。目撃情報などによると、彼はまず店長の竹内朋香さん(27)を背後から複数回刺した後、伊藤さんも同様に追いかけ襲いかかったとみられている。犯行時、店内には複数の客や従業員がいた。近隣店舗の関係者からは、竹内さんが酒瓶で殴られたという情報や、伊藤さんとの関係がうまくいかなかったことを竹内さんのせいだと逆恨みした可能性も指摘されている。

浜松ガールズバー殺傷事件 犯行に使われた可能性のある刃物を持つ人物のイメージ浜松ガールズバー殺傷事件 犯行に使われた可能性のある刃物を持つ人物のイメージ

犠牲となった店長・竹内さんの人柄

亡くなった店長の竹内朋香さん(27)は、浜松市中央区東若林町に住んでいた。彼女は仕事熱心で、若いながらも近隣店舗との付き合いを大切にするなど、礼儀正しい人物として評判が良かった。お店の売り上げのために一生懸命お酒を飲む姿も目撃されている。彼女には年上の彼氏がおり、容疑者との間に恋愛関係はなかったとされる。事件当日も、お店や従業員を守ろうとして恨みを買ってしまったのかもしれないと、関係者は話している。竹内さんは週6日働き、祖母と同居していた。SNSやブログには、仕事や飲酒に関する投稿が多数見られる。

浜松ガールズバー殺害事件の犠牲者 竹内朋香さん(27) 生前の写真浜松ガールズバー殺害事件の犠牲者 竹内朋香さん(27) 生前の写真

容疑者の過去と近隣の反応

事件現場はJR浜松駅から西へ約500メートルの繁華街の一角だ。容疑者の山下市郎は、家賃2万6千円のアパートで暮らしており、かつてはトラック運転手だったという。従業員からは、年上には従順だが弱者には威張る典型的な「小物」だったという証言もある。また、彼は過去に飲酒運転で事故を起こし、逮捕された経歴があることも報じられている。

まとめ:動機解明と今後の捜査

浜松市のガールズバーで発生したこの事件では、常連客の男による犯行により、若い女性2人の尊い命が奪われた。容疑者は既に逮捕され、犯行を認めている。警察は「アフター」を巡るトラブルや、店長への逆恨みなど、複数の可能性を視野に入れながら、犯行に至った詳しい動機や背景について慎重な捜査を進めている。


参照:集英社オンライン