大学入学共通テストの受験生が試験中に設問画像を外部に送り、解答を得たとされる事件で、警視庁は10日、大阪府の女子大学生(19)と、横浜市のシステムエンジニアの男(28)の2人を偽計業務妨害容疑で東京地検に書類送検した。女子学生は男に報酬を渡す約束をし、画像を外部に送る「中継役」をさせていたという。
大学入学共通テストを受ける受験生たち
捜査関係者によると、女子学生は共通テスト初日の1月15日、大阪府内の試験会場で「世界史B」の試験中に問題用紙をスマートフォンで動画撮影し、インターネットで男と共有。男は映像を切り取って静止画にした上、事情を知らない東京大の学生らに送り、時間内に解答を得て、大学入試センターに必要のない調査を行わせるなど業務を妨害した疑い。
2人は昨年夏頃にマッチングサイトを通じて知り合ったという。いずれも容疑を認めている。警視庁は2人の処分について、女子学生は保護観察処分相当、男は判断を地検に委ねるとする意見を付けた。
女子学生は1月27日に警察に出頭した際、「上着の袖に隠したスマートフォンを使って1人でやった」と説明したが、その後、「手伝ってくれた人がいる」と供述を覆していた。