大阪府警察本部
大阪府高槻市の会社員女性が昨年7月、自宅の浴槽で溺死していた事件で、親族が女性宅を訪れて遺体を発見した際、室内のテレビやエアコンがついた状態だったことが府警への取材でわかった。府警は、普段通りの生活で、入浴中に突然死したように装った可能性があるとみている。
府警によると、女性は高井直子さん(当時54歳)で、高槻市八幡町の自宅で一人暮らし。高井さんは7月21日に大阪市内の大手銀行関連会社に出社し、午後5時過ぎに退社した。午後6時15分頃に自宅近くで自転車に乗る様子が防犯カメラの映像に残されていた。これ以降、高井さんが外出する姿は確認されていない。
高井さんは23日頃に死亡したとみられる。同22~25日は東京五輪による4連休で、高井さんは、連休明けの26日朝、会社に姿を見せず、上司から連絡を受けた親族が上司と高井さん宅を訪れたという。
遺体発見時、室内のテレビやエアコンのほか、風呂や廊下の電灯もついた状態で、荒らされた形跡もなく、財布や70万円入りのポーチも残されていた。死後3日ほど経過しており、遺体の腐敗がかなり進んでいたため、当初の司法解剖で死因は特定されなかった。府警が遺体を詳細に調べ、他殺による溺死の疑いと特定するまで約7か月かかった。
府警によると、女性は資産家で、自身に1億5000万円の生命保険がかけられていたという。