なぜ会えなかった? ウクライナ大使“空白の1か月”めぐり外務省と食い違い


2日、外務省で林大臣と笑顔で挨拶を交わすのは、ウクライナのコルスンスキー大使です。

コルスンスキー大使
「ウクライナが大きな災難にある中、日本の人道支援など様々な支援に感謝している」

面会後、大使は興奮した面持ちで記者団にこう語りました。

コルスンスキー大使
「(林大臣に)わたしからの面会のリクエストにとても迅速に対応して頂いた」

しかし、この直前、国会ではこんなやりとりがあったのです。

国民民主党 川合孝典参院議員
「コルスンスキー大使は、林外務大臣に対して、ロシアからウクライナ侵攻の予兆ともいうべき状況がかなり早い時期から見られていたということで説明を希望して、既に1か月も前に面会を外務省に求めたが、いまだ林外務大臣と面会ができていない。私自身、外務省のほうに確認をさせていただきましたところ、事実関係としては確かにそうであるという回答を外務省から頂戴しております」

林外相
「これは双方の都合のよい日時を調整して、本日の夕刻にお会いする運びとなったところでございます」

国民民主党 川合孝典参院議員
「1か月も放置してきたということ自体が危機管理対応として極めて緩慢な動きなのではないのかと」

林外相
「先ほどのお尋ねでございますが、私自身は大使からの面会要望っていうのは承知をしてなかったということは申し上げておきたいと思います」

ウクライナ大使からの1か月前からの面会希望を知らなかったという林大臣。外務省の危機管理能力もやり玉にあがりましたが、3日にはその大使自身がツイッターで林大臣を擁護。これが更に火を大きくしました。

コルスンスキー大使のツイート
「いや、林大臣はすぐに対応してくれた。会おうとしなかったのは鈴木副大臣だ」

1か月もの間、面会に応じなかったのは林大臣ではなく、鈴木貴子外務副大臣だったというのです。鈴木副大臣の父は“親ロシア派”として名を馳せた鈴木宗男氏。

何かの思惑があったのかとの憶測も流れましたが、鈴木副大臣本人は、「私のもとに大使館からの面会依頼書は届いていない」とした上で、JNNの取材に対し、「事実無根であり、また、本来業務に支障が出ている」と語り、大使のツイッターでの発信を全面否定しました。

その後、大使は自らのツイートを削除。さらに、夜になってあらたなメッセージを発信しました。

コルスンスキー大使のツイート
「結局のところ、私たちの大使館と外務省の間には技術レベルでの誤解がありました。外務省は、第二次世界大戦以来最大の安全保障危機に関連する二国間および多国間問題に全面的に取り組んでいます。極度のプレッシャーが私たち全員にかかっています」

連絡上の誤解が原因だったと説明するこのツイート、日本との関係を考え「火消し」を図ったものと見られますが、それでは外務省幹部に会えないという「空白の1か月」はなぜ生じたのでしょうか。事実関係は明らかになっていません。
(04日00:46)



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