メキシコのティフアナで涙ながらに抗議するロシア人のイリナ・ゾリンカさん(AP)
メキシコに観光客として入国し、その後米国に亡命を求めようとしているロシア人とウクライナ人が、米国との国境の町、ティフアナで異なる待遇を受けている。
AP通信によれば数日前までロシア人はティフアナから米国側のサンイーサイドロへの入国が認められる一方で、ウクライナ人は阻止されていたが、18日になって両者の待遇が逆転。阻止されて野宿している34人のロシア人に対してティフアナの市当局は退去を求めている。
AP通信の取材を受けたロシア人のイリナ・ゾリンカさん(40)は7人の家族とともに17日にティフアナまでやってきており「このような対応は理解できない」と涙ながらに抗議。米政府からの正式な見解などは出ていないが、人権擁護団体のメンバーによれば15日になって米国はウクライナ人に人道的見地から1年間の特別滞在を認め、同時にロシア人の入国を禁止したとしており、この方針がメキシコ側の対応に影響が出た可能性も出てきている。