コロナ禍で”披露宴取り止め”にホテル側「キャンセル料」求めるも…請求棄却されたケースの「経緯」


未知のウイルスだった当時と、ある程度分かってきた“今”では、違う判決も

コロナ禍で"披露宴取り止め”にホテル側「キャンセル料」求めるも…請求棄却されたケースの「経緯」

FNNプライムオンライン

【画像】提訴したホテル側の主張は…

2019年9月、夫婦が名古屋観光ホテルに訪れ、2020年6月14日に披露宴を申し込んだ。
しかし、日本はコロナ禍へ。

2020年3月には招待状の準備などを始めたが、4月7日に東京など7つの都府県に緊急事態宣言が発令され(愛知は16日)、翌日8日、夫婦は披露宴解約を申し出た。

ホテル側は、契約で定められたキャンセル料約150万円の支払いを求め、提訴。

原告のホテル側は「解約した時点では愛知に緊急事態宣言は発令されていない(※解約は4/8・宣言は4/16~)。その後、愛知にも出された緊急事態宣言は5月14日までで、6月14日に披露宴を行うことは十分可能」と主張。

被告の夫婦側は「緊急事態宣言が発令され、全国的に宴会などを回避するよう要請されていたので、やむなく解約した」と反論した。

2022年2月25日の判決裁判で、名古屋地裁は「原告の支払い請求を棄却」。

解約した当時、2~3か月以内の披露宴は感染拡大を招く恐れがあり、現実的に不可能であると一般的に認識されていた以上、解約するのは「やむを得ないことだった」とした。

判決に対し、原告のホテル側は「係争中なのでコメントは差し控える」としている。

消費者問題に詳しい、弁護士法人ブリッジルーツ名古屋の牧野太郎弁護士は、「今回の判決は、当時コロナが未知のウイルスだった状況を踏まえると、キャンセルは“不可抗力”のものであり、夫婦に責任がないとしたこの判決は妥当。
ただ、ウイルスの詳細が分かってきて、繰り返し緊急事態宣言やまん延防止等重点措置がとられている今は、同様の判決が出るとは限らない」と話している。

(東海テレビ)

東海テレビ



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