人気女優・米倉涼子(50)に突如として持ち上がった麻薬疑惑は、日本社会、特に芸能界に大きな衝撃を与えている。この異例の事前報道により、彼女が直面する苦悩の深さ、そして交際相手の不可解な出国という予期せぬ展開が明らかになった。数々のドラマで「私、失敗しないので」と豪語する強いヒロイン像を演じてきた米倉だが、今回の麻薬疑惑を払拭し、自身の潔白を証明することはできるのだろうか。その捜査の行方は、依然として複雑な様相を呈し、混迷を極めている。
静かな住宅街を騒がせた「Xデー」の情報
10月上旬、東京・港区の閑静な高級住宅街の一角が、にわかに騒然となった。多数のテレビ局クルーや新聞記者が、ある一人の人物を待ち構えるように集結していたのだ。彼らのターゲットは、その高級マンションの最上階に居を構える”渦中”の女優・米倉涼子(50才)である。当時、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部、通称「マトリ」による捜査が大詰めを迎えており、10月6日にも彼女が逮捕される可能性がある「Xデー」が訪れるという情報が飛び交っていた。報道陣は、まさにその決定的な瞬間が訪れることを固唾をのんで待ち構えていたのである。しかし、何日経っても現場には特段の動きは見られず、捜査の進展も判然としないまま時間は過ぎていった。業を煮やした各社の報道陣は次々に撤収し始め、この一連の騒動は、何事もなかったかのように静かに収束していくかのように思われた。
週刊文春が暴いた家宅捜索と衝撃の新事実
そのような膠着状態が続く中、事態は急転した。10月11日、大手週刊誌『週刊文春電子版』が、この騒動の深層に迫る衝撃的なニュースを独占配信したのである。同誌の報道によれば、すでに8月20日、米倉さんの自宅で家宅捜索が実施されており、その際に複数の違法薬物が押収された可能性、そしてマトリが麻薬取締法違反容疑で本格的な捜査を進めていることなどが詳細に報じられた。週刊文春は、今年6月頃にマトリが米倉さんを内偵しているとの情報を独自に入手し、それから実に4か月以上もの長きにわたり、極秘裏に取材を続けてきたという。翌日に配信された同誌の記事では、家宅捜索の当日に米倉さんが「何なの!」と動揺と狼狽を露わにする様子が克明に描写されており、さらには彼女の交際相手であるアルゼンチン国籍のダンサーA氏と親密にデートする姿を捉えた写真なども掲載され、世間に大きな波紋を呼んだ。
麻薬疑惑が報じられ、苦悩の表情を見せる女優・米倉涼子
これら一連の報道により、マトリが米倉さんに対して長期間にわたって内偵捜査を進めていた事実が白日の下にさらされた形だ。しかし、現時点(10月13日)において、米倉さんが正式に逮捕されたという事実は確認されていない。週刊文春の続報によれば、家宅捜索の際に違法薬物の成分を含む複数の証拠品が押収され、米倉さん自身が薬物の使用や所持に関する事実関係について、詳しく事情を聞かれたという話も報じられている。一方で、押収された薬物の鑑定には時間を要し、米倉さんの尿検査の結果は「シロ」、つまり陰性だったという情報も一部で流れているようだ。たとえ微量であっても、タバコ状の「ジョイント」や吸引具である「ボング」に巻かれているなど、使用する目的で所持していたと判断されれば逮捕に至るケースは少なくない。しかし、米倉さんの場合は、これらのいずれにも該当しなかったとみられている状況だ。
海外渡航、情報漏洩、そして恋人の出国が捜査を混迷させる
週刊文春電子版はまた、米倉さんが家宅捜索からわずか2日後にヨーロッパへ渡航していたことも報じている。この事実から、少なくとも家宅捜索が行われた時点では、彼女が身柄を拘束されることなく、自由に日本を出国できる状況にあったことが伺える。米倉さんは約2週間にわたり日本を離れ、ロンドンなどを訪れていたそうだ。しかし、9月上旬に帰国した際、成田空港で待ち構えていた記者からの突然の直撃を受け、自身の捜査情報が外部に漏れていたことを初めて知り、その困惑は相当なものだったという。その後、混乱を避け、世間の目から逃れるために、自宅を離れて現在は人目につかないホテルに滞在しているとみられている。
厚生労働省の管轄下にあるマトリの事務所は、東京・千代田区の合同庁舎内に位置している。米倉さんは、その事務所に自ら何度も足を運び、捜査当局による取り調べにも素直に応じて協力的な姿勢を見せているという。一方で、関係者の間からは、現時点では「被疑者」とすら断定されていない米倉さんに関する疑惑が、これほどまでに大きく、そして異例の形で報じられていることに対し、疑問の声が上がっている。容疑が固まるよりも前に、捜査の過程や詳細がこれほど具体的にマスコミに報じられるのは、極めて異例なケースと言える。この状況に、誰よりも大きなショックを受けているのは米倉さん自身だろう。家宅捜索の当日に写真まで撮られ、捜査に協力しているにもかかわらず、まるで何者かに「嵌められた」かのような思いを抱いているのではないかと、ある芸能関係者はその胸中を推測する。
米倉涼子の交際相手とされるアルゼンチン国籍のダンサーA氏と、顔を隠して帰宅する米倉涼子の姿
家宅捜索から約2か月近くが経過してもなお、捜査が進展しない理由の一つとして、米倉さんの自宅に交際相手であるダンサーA氏が頻繁に出入りしていたという事実が挙げられる。押収された証拠品の正確な所有者を特定するためには、A氏から詳しい事情を聞くことが不可欠とされていた。マトリは10月上旬にも、米倉さんとA氏の双方から事情聴取を行う方針だったという。ところが、その直前になってA氏が突如として日本から出国したとみられており、彼の事情聴取は延期せざるを得ない状況に陥っている。このA氏の不可解な出国が、捜査の全体像を一層混迷させ、事件の早期解決を阻む大きな要因となっているのだ。
結論
人気女優・米倉涼子を巡る麻薬疑惑は、家宅捜索から数週間が経過した現在もなお、多くの未解明な点と複雑な状況を残している。マトリによる慎重な捜査が続く一方で、捜査情報が事前にメディアに漏洩した異例の経緯、そして疑惑の核心に迫る上で重要な証人である交際相手A氏の不可解な出国は、事態をより一層複雑化させている。米倉涼子自身が、この極めて困難な状況をいかに乗り越え、自身の潔白を世間に証明していくのか、その動向に日本社会の大きな注目が集まっている。今後の捜査の進展と、真相の究明が強く待たれるところである。
参照元: Yahoo!ニュース (https://news.yahoo.co.jp/articles/47b9db66b2c226603e7b3964cf9939add8f4674a)