静岡県伊東市で10月19日に行われた「出直し市議会議員選挙」(定数20)は、田久保眞紀市長(55)の学歴詐称疑惑が背景。市長への不信任決議案に賛成した候補19人が当選し、反対派はわずか1人でした。この結果、31日の臨時議会で不信任決議が可決され、市長は失職が確実。市長は再出馬の可能性を示唆し、「このままでは終わらない」と語っています。
伊東市役所前で状況を見守る市民と市議選の様子。田久保市長の去就に注目が集まる
学歴詐称疑惑と議会解散の経緯
今回の市議選は、田久保市長の学歴詐称疑惑に端を発します。今年8月、市議会調査特別委員会(百条委)が学歴詐称を認定。これを受け、市議会は9月1日に不信任決議を全会一致で可決しました。市長がこれに対抗し議会を解散したことで、今回の市議選が実施され、前職18人、新人12人が立候補しました。
「解散の大義」と市議選の焦点
「解散には大義がない」と批判を浴びた田久保市長は、選挙戦初日に「30人そろったことが大義であり、改⾰を前に進めるための選挙だ」と主張。しかし選挙の最大の焦点は、議会を解散した市長への「審判」でした。市議選前のアンケートでは、30人中26人が不信任に『賛成』と回答。市長支持者らは、2度目の不信任採決が議員7人の欠席でできなくなるため、7人の当選を目指したとみられています。また、「賛成」と答えた候補の中にも“ステルス田久保派”がいるとの見方も。
不信任反対派唯一の当選者、片桐基至氏の経歴
田久保市長は、不信任に唯一「反対」を明言した無所属の片桐基至候補(45)を全力応援。元航空自衛官の片桐氏は、2016年に新潟市阿賀野市議選で幸福実現党公認で当選歴があり、参政党にも一時所属。2023年の前回伊東市議選では落選していました。
白いTシャツをデニムにインした東洋大生時代の田久保眞紀市長。学歴詐称疑惑の背景
田久保市長の未来と伊東市政の行方
今回の伊東市議選の結果は、田久保市長にとって極めて厳しいものとなりました。学歴詐称疑惑に端を発した政治的混乱は、市長の失職という形で一つの区切りを迎える見込みです。しかし、市長が「このままでは終わらない」と語るように、伊東市政の動向は依然として注目されます。市民が選んだ新たな議会が、今後の伊東市にどのような改革をもたらすのか、その行方が大いに期待されます。