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軍事ジャーナリスト 黒井文太郎さん
ロシアによるウクライナ侵攻は4月4日で40日となりました。イギリスのシンクタンクの調べでは、侵攻にかかる1日あたりの費用は少なくとも2兆円になると試算しています。侵攻を行うロシア側の兵器や武器のコストについて、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「戦車を製造するのに1億数千万円、新型だと4億数千万円の費用がかかっている」との見方を示しています。高額な兵器を投入してまで侵攻を行うロシアの意図などを分析します。
【映像】ウクライナ側の装備についても黒井さんが解説
MBSニュース
―――黒井さんは今、このウクライナの戦況をどのようにご覧になっていますか?
「そうですね。特に首都キーウ(キエフ)の北方エリアからは相当ロシア軍が撤退はしています。ロシア軍はこの後、東部でさらに活発に活動するということを宣言していて、キーウの北部から撤退した部隊は国境を越えてベラルーシなどにも相当戻ってるんですけれども、そこで体制を立て直している形跡があるので、その部隊が東部に回っていくのかどうかというのは、これからですね」
―――ロシアのウクライナ侵攻から40日です。イギリスのシンクタンクの試算では、ウクライナ侵攻にかかるお金は1日あたり少なくとも2兆円だと。黒井さんこの1日あたり2兆円というこの金額はどうなんでしょうか?
「これは1日2兆円かかっているという意味ではなくて、ロシア軍の装備、戦車・装甲車・戦闘機とか相当破壊されていますので、そういったのも含めての金額ということになると思います。一番それが大きいんですね。それはストックで賄っているので、今ロシア軍が1日かけているということではないということです。人件費も平時とは変わらないわけなので、一番大きなのは燃料、それから弾薬ですね。そういったものだけで言うとこの数字よりだいぶ小さいものと言っていいと思います」
MBSニュース
―――イギリスのインディペンデント紙は、ロシアの軍用車両2055台が破壊されたと報じています。この武器・兵器のコストなんですが、黒江さん曰く、戦車ですと「T‐72」といわれるものが旧型で1億数千万円、新型では4億数千万円もするということで、戦車を作る費用は莫大なんですね?
「T‐72は70年代80年代の主力戦車で古いので、これ自体は1億円しないと思うんですけれども、その改良型を今、一番持ち込んでいて被害にあっているんですね。それがおそらく1億数千万円ぐらい。ロシア国内の価格で安いのでなかなか難しいが、そのぐらい。その次に被害にあっているのが『T‐80U』というものなんですが、これだとおそらく4億~4億数千万円ぐらいで、おそらくロシア国内でもう少し減るぐらいかなということですね」
―――ミサイルについては、極超音速ミサイル「キンジャール」と言われる兵器が使われたのではないかという報道もありました。新型につき価格は不明ということで、これもかなりの額がするということでしょうか?
「そうですね。それを作るのにはそれなりのお金がかかると思うんですが、量産して売買しているということではないので、金額はわからないんですけれども、それなりに金額が高いと言っていいと思います」
―――高額な兵器を使ってまで侵略をするのはロシアにとってどういう位置づけなのでしょうか?
「とにかくロシアは戦争をしてここを取りたいということなんです。お金はかかっているといえばかかっているんですけれども、実際は新型が少なくて、先ほどのT‐72は1億円というと高いと思うかもしれませんが、戦車としてはそんなに高くないですね。ですから、古い型のものが相当失われているということです。ただ、軍用車両2000台というのは相当な数ですね」
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