スマホとYouTubeで東大理III合格!超難関突破者が語る「最強の英語学習法」

「スマートフォンでYouTubeを眺めて、本当に受験勉強ができるのか?」――多くの親世代が抱く疑問かもしれません。しかし、現役の東京大学理科三類(医学部)合格者たちは、スマホとYouTubeを「最強の受験ツール」として見事に活用していました。彼らは超難関を勝ち抜く過程で、YouTubeをどのように有益な学習メディアへと変え、英語力の向上に役立てたのでしょうか。今回は、東大理III合格者6名が実践した、スマホとYouTubeを活用した英語学習の秘訣に迫ります。これは、単なる情報収集に留まらない、次世代の学習スタイルを示す貴重な事例となるでしょう。

スマホで熱心に英語を学ぶ受験生スマホで熱心に英語を学ぶ受験生

東大理III合格者が明かす「YouTube活用術」とは?

東大理IIIという最難関の壁を突破した彼らは、伝統的な学習法に加えて、デジタルツールであるYouTubeを戦略的に取り入れ、自身の英語力を飛躍的に向上させました。その具体的な活用法を見ていきましょう。

岡田彬子さん:科学系チャンネルとK-POPで実践英語力

桜蔭学園出身の岡田彬子さんは、中学時代から英語の基礎を築きつつ、特にリスニング強化にYouTubeを活用しました。彼女が特にお勧めするのは、科学系のチャンネル『Veritasium』です。このチャンネルは、実験を通じて科学的な事象を検証する「実験→実証」の忠実な流れが特徴で、科学的思考と英語のリスニング力を同時に養うのに最適だったと語ります。また、息抜き感覚でK-POPアイドルの英語インタビューを視聴するなど、楽しみながら耳を英語に慣らす工夫もしていました。直前期には、洋書購読でポール・オースターの『ムーン・パレス』やジョージ・オーウェルの『1984』の英語版に挑戦し、多読を通じて総合的な英語力を高めました。

小室卓也さん:『TED-Ed』と海外アニメで基礎から強化

駒場東邦出身の小室卓也さんは、高校1・2年生で単語帳『ターゲット1900』と文法書『Vintage』を完璧にすることを目標としました。これと並行して、学校の授業の復習の延長としてYouTubeを積極的に活用。彼は特に教育系チャンネルの『TED-Ed』や海外アニメを視聴し、楽しみながら英語に触れる時間を設けました。『TED-Ed』は、アニメーションと分かりやすい解説で、幅広いテーマを英語で学ぶことができるため、リスニング力だけでなく、多様な知識の習得にも繋がったと言います。高校3年生以降は過去問演習に重点を置き、直前期には『キムタツのリスニング』教材で徹底的に対策することで、英語の成績を安定させました。

眞田衛さん:BBC 6分間英語と海外大学講座で上級リスニング

北海道札幌北出身の眞田衛さんは、単語や文法が頭に入っていたため、実践的な問題演習から英語学習に入りました。整序英作や誤文指摘などの形式に慣れるため、『英文法・語法良問500』シリーズを活用。英文解釈の練習には『ポレポレ英文読解プロセス50』『英文読解の透視図』などを通読し、黙読で意味を捉え、躓いた場合は解説を確認するという効率的な方法を実践しました。リスニング対策には、BBCの『6 Minute English』や『TED-Ed』を毎日聴き込むことを習慣化。さらに、オンライン公開講座のプラットフォーム『edX』で海外大学の講座を英語で受講するなど、高度な英語環境に身を置くことで、実践的なリスニング力とアカデミックな読解力を磨き上げました。

武石航輔さん:英語の弱点克服へ。正確な理解と表現力を追求

筑波大学附属駒場出身の武石航輔さんは、現役時代の英語の得点不足を痛感し、浪人期にその克服を最優先課題としました。彼は、確信を持って要約や英作文の解答を書けた経験がほとんどなかったと冷静に分析。リスニング、英作文、そして正確な読解という、英語の主要な要素全てにおいて、他の受験生レベルに達していないと考え、徹底的な対策を講じました。具体的なYouTubeの活用法は記事中で明言されていませんが、他の合格者の例からも、動画コンテンツを通じてこれらの弱点を補強し、多角的に英語力を鍛え上げるアプローチが取られたことが推察されます。正確な情報把握と論理的な表現力は、YouTubeの教育コンテンツやニュース動画を通じて養うことが可能です。

難関突破の鍵:YouTubeを「最強の学習ツール」に変える視点

これらの東大理III合格者の事例からわかるのは、YouTubeを単なる娯楽としてではなく、目的意識を持って活用すれば、その膨大なコンテンツが学習において強力な武器となるという事実です。彼らは、科学解説、アニメ、K-POPインタビュー、ニュース、教育プログラムなど、多様なジャンルの動画をそれぞれのレベルや興味に合わせて選択し、飽きることなく英語に触れ続ける環境を自ら作り出しました。

YouTubeの最大の利点は、ネイティブスピーカーによる自然な英語に大量に触れられる点、視覚情報も伴うため文脈理解がしやすい点、そして何よりも「楽しい」と感じながら学習を継続できる点にあります。この「楽しみ」こそが、モチベーションを維持し、長期間にわたる学習を可能にする鍵と言えるでしょう。

結論:スマホとYouTubeは「戦略的学習」の強力な味方

現代の受験生にとって、スマートフォンとYouTubeはもはや「邪魔な存在」ではなく、「戦略的に活用すべき学習ツール」へとその位置づけを変えています。東大理III合格者たちの事例は、デジタルネイティブ世代が持つ強みを最大限に活かし、従来の学習法と融合させることで、前例のない学習効果を生み出せることを明確に示しています。重要なのは、単に動画を視聴するだけでなく、目的意識を持ってコンテンツを選び、能動的に学び、それを自身の学習計画に組み込むことです。YouTubeを賢く使いこなすことで、英語力だけでなく、情報収集力や自己管理能力といった、未来に役立つ汎用的なスキルも同時に身につけることができるでしょう。

参考文献

  • 東大カルペ・ディエム著編、西岡壱誠監修、じゅそうけん監修『東大理3 合格の秘訣 Vol.40 2025』(笠間書院)