提供:ウェザーニュース
4月も下旬となって、春らしく暖かい日々が続くようになりました。冬物のコートもそろそろシーズンオフを迎えています。寒さを防ぐのに役立ってくれたコートですが、しまおうとすると生地の厚さでスペースがかさんで収納場所に困ったりする場合も少なくありません。
さらに、前のシーズンの保管や手入れ方法が正しくなかったために、いざ着ようと思った時に虫に食われていたり、シミができていたり、毛玉が付いていたりといったケースがあります。
シーズンオフを迎えたコートはどんな手入れをして、どのように収納すればいいのか。適切な方法と注意点について、クリーニング店の上手な利用法を消費者に伝えるNPO法人クリーニング・カスタマーズサポート(福島県須賀川市)の鈴木和幸代表に伺いました。
(1)クリーニングに出す前のお手入れ
冬物のコートにはウールやカシミヤなどの素材が多いのですが、収納前に注意しておくべきポイントはありますか。
「ウールは羊毛、カシミヤはカシミヤヤギの毛を素材とする『天然繊維』で、保温性に優れ柔らかいことから冬物のコートに好んで用いられます。
その半面、天然繊維は虫に食われやすいうえに毛玉ができやすく、さらに水分を含むと縮みやすいという性質をもっています。
特にメリノ種の羊毛が素材のメリノウールやカシミヤは高価なものですから、汚れやシミが付いていたらクリーニングに出すことは必須と言えますが、その前にお手入れを施しておくこともおすすめします。
まず、コートをハンガーに吊るし、全体にブラシをかけてホコリと汚れを落とします。毛足が柔らかい馬毛のブラシが、生地を傷めにくいのでおすすめです。ホコリや汚れが落ちると生地が『呼吸』しやすくなり、毛並みも整います。
襟や袖口、裏地に汚れが付いていたら、濡らしたタオルを硬く絞って、こすらず“ポンポン”と叩くイメージで拭き取ってください。
もし、生地が水分を含んでいるようなら陰干ししてからクリーニングに出してください。ポケットなどに物が入っていないかの事前チェックも忘れずに。
また、クリーニングから返ってきたとき、シミや汚れが落ちているか確認しましょう」(鈴木代表)