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北海道知床半島沖で観光船が遭難した事故で、これまでに3歳の女の子を含む11人の死亡が確認された。行方不明の乗客の中には、観光船でプロポーズを計画していた男性もいた。
【画像】観光船「KAZU 1」の航路と乗客が発見された場所
3歳女児死亡、両親ら15人の捜索続く
北海道の知床半島沖で、乗客乗員26人を乗せた観光船が消息を絶って3日目。4月15日午後4時すぎ、北海道斜里町のウトロ漁港に、朝から捜索活動を行っていた地元の漁師たちの船が戻ってきた。
捜索に出ていた人:
10時間出ていたかな。早く見つかるといいなと思うけど、捜す範囲にも限界がある。できる限りはやります。
今回事故を起こした「KAZU1(カズワン)」には、北海道だけでなく東京、大阪、福岡などから訪れた乗客24人が乗っていた。
これまでに男性7人と女性4人、合わせて11人が発見されたが、3歳の女の子を含む全員の死亡が確認されている。
23日午前10時ごろ、観光船「KAZU 1」は斜里町のウトロ漁港を出発。北東へ約40km離れた知床岬に向かい、約3時間で往復する予定だった。しかし、午後1時すぎ。
「船首が浸水している。カシュニの滝のすぐそば。救助を頼む」
観光客に人気のカシュニの滝付近で救助を要請。その後、「船首が30度傾いている」という連絡を最後に消息を絶った。
町によると、24日午後9時すぎには3歳の女の子が意識不明の状態で救助されたが、死亡が確認された。女の子が発見されたのは、カシュニの滝から直線距離で約28km離れた知床岬の沖合。女の子の両親は見つかっていないという。
船上プロポーズのカップルも 父親悲痛
ウトロ漁港のある斜里町では25日、行方不明者らの家族に向けた説明会が開かれた。
第1管区海上保安本部 警備救難部 横内伸明次長:
夜も含めて捜索をしているという形で説明させていただいて。感謝の意を述べられる方もいらっしゃいました。
今も15人の行方がわからない中、息子が船に乗っていたという男性に話を聞くことができた。
息子が観光船に乗っていたという男性:
息子が船に…つらいけど、乗っていてまだ上がっていないんですよ。昨日からこうやってぐるぐる回って捜しているけれど、どうしようもないんだけれど、いたたまれなくて。
男性の息子は交際女性の誕生日サプライズとして、観光先でのプロポーズを計画していたという。
息子が観光船に乗っていたという男性:
(息子は)彼女にも黙ってここに来て、サプライズを兼ねて誕生日をお祝いをしてやろうと、本人が考えて。観光船に乗せてということを考えたときに、その中で遭った事故なので。悔しくてね
地元の漁師によると、現場の海域は北に向かって潮が流れているため、行方不明者は北方領土の方にまで流されている可能性もあるという。