天皇陛下(62)が即位され、令和時代が始まって1日で3年となった。この2年余りは新型コロナウイルス禍で活動が大きく制限されたが、オンラインを積極的に活用してコロナ禍で苦しむ国民にメッセージを発信するなど独自色を見せられている。(小野沢記秀)
苦難に寄り添う
「この3年間、両陛下のなさりようは徹頭徹尾、国民のことを考えているということに尽きる」と側近は話す。皇后さま(58)とともにコロナ禍や自然災害で苦境にある人たちに思いを寄せ、その思いを自身の言葉で伝えたいと思われているという。
それが強く表れたのが、2020年8月15日の全国戦没者追悼式のお言葉だ。昭和と平成の天皇が先の大戦の惨禍と向き合って練り上げてきたお言葉に、コロナ禍の苦難を加えられた。
関係者によると、陛下は事前に宮内庁参与や側近らに相談された。過去の戦没者を悼む行事で現在進行形のコロナ禍に触れることに反対の意見も出されたが、陛下は熟慮の末に決断された。「令和時代の象徴として、今を生きる人々の苦難に寄り添うことが重要と考えられた」と側近はいう。
昨年と今年の元日には、中止となった新年一般参賀に代わり、国民向けにビデオメッセージを公表。皆が支え合ってコロナ禍を乗り越えるよう呼びかけられた。
地方訪問は慎重
両陛下の地方訪問は、コロナ禍で2年半近く実現していない。代わりにオンラインで全国植樹祭などの行事に参加したり、自然災害の被災者らと懇談されたりしている。オンラインで視察や交流をされたのは13道県に上る。
感染対策と社会経済活動の両立に向け、宮内庁は両陛下の地方訪問の再開を模索するが、両陛下は慎重な構えを崩されていない。
昨年9月の赤坂御用地から皇居への引っ越し作業中は、宮内庁が栃木・那須御用邸での滞在を勧めたが、県境を越えて移動することは「国民に誤ったメッセージを与えかねない」と宿泊機能のない皇居・宮殿に寝具を運び込んで2週間、不便な生活を送られた。