「嫁になってくれますか?」。
北海道・知床半島沖で起きた観光船の沈没事故で亡くなった北見市の鈴木智也さん(22)が交際相手に宛てた手紙が、智也さんの車の中から見つかった。手紙は実家がある帯広市で2日行われた告別式で明らかにされた。
交際相手の誕生日を祝う文面で始まる手紙には、事故が起きた先月23日の日付が記され、「ずっとずっと大好きです」「これからも一生一緒についてきてください」「産まれてきてありがとう。愛しています」などと書かれていた。
父親によると、手紙は斜里町ウトロの港に止めてあった智也さんの車の後部座席に残されていた。観光船には交際相手と一緒に乗り、船上でプロポーズする計画だった。
事故後、智也さんは遺体で発見されたものの、交際相手は行方不明のまま。父親は3日、取材に対し「相手の家族とは家族ぐるみの付き合いをしてきた。彼女が見つかっておらず、もやもやした気持ちだ。見つかるまでは、そっとしておいてほしい」と話した。