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ゴールデンウィーク、多くの観光客で賑わう沖縄県。しかし、美しい沖縄の海を体験できる人気の観光施設が閉鎖されています。その背景には、“ある問題”がありました。
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GW沖縄ビーチ活況もいまだ“軽石被害”
沖縄に来る観光客のお目当てといえば・・・青く透き通った美しい海。名護市にあるブセナ海中公園では、サンゴや熱帯魚などが見られるグラスボートが人気です。3年ぶりとなる“行動制限なし”のゴールデンウィークで、再び観光客が戻ってくると思いきやグラスボート欠航のお知らせ。
欠航の知らせが出たのはゴールデンウィーク初日の4月29日。その理由のひとつが、「軽石の漂着」。2021年、海底火山の噴火により、沖縄に大量に漂着した「軽石」。半年が経過した今も、その影響は続いていました。
プセナ海中公園 玉城扇所長:
軽石が漂流していると、この小さな軽石の粒がエンジンの冷却装置のシステムに入り込んで、船が止まってしまう恐れがあるんですね。それで、軽石の漂流が多い日は、グラスボートが運行できない状況が続いています。大体、本来運行できるボートの便数のそうですね、70%ぐらいが欠航になっています。数字ご紹介しますと、2021年の10月25日から今日、現在までボートが欠航した日数は合計で152日間になります。
観光客のお目当て、白い砂浜の光景にも異変が…
恩納村のタイガービーチには、水面に浮かぶ無数の軽石。波照間島の砂浜では、打ち上げられた軽石が黒い帯となっています。
さらに軽石漂着の影響は、沖縄のグルメにまで…
”沖縄そば”定番の具が在庫わずか「アーサが不作」
沖縄の郷土料理、沖縄そば。定番の具材の一つで、沖縄では「アーサ」と呼ばれて親しまれる“アオサ”が品薄状態だといいます。
琉心そば店主 奥間政史さん:
仕入れ業者さんからも、軽石の影響で今年は特に不作ということでお聞きしてて、在庫の方も品薄と聞いています。今日ある在庫がもうこの1パックだけになりますね。ちょっと予測していなかったもので、僕らとしてもびっくりしてます。
在庫が切れた後は、仕入れの見通しが立っていないといいます。
アーサ漁師:
もう全然取れなかったって…
「めざまし8」の取材に答えてくれたのは、沖縄で「アーサ」の養殖を行っている漁師さん。
見せてくれたのは、収穫時期を迎えた「アーサ」の網に大量にひっかかった軽石です。
アーサ漁師:
粒が大きなものであれば、洗浄の時に除去することも出来るんですけど、(軽石到来の)後半のやつはかなり粒が細かくなって。なかなか収穫の時に分けることが出来ない。
アーサに細かい軽石の粒が絡まってしまうと、取り除くことが出来ず、商品にならないといいます。沖縄の「観光地」や「特産品」に深刻なダメージ。さらにもう一つ、観光客と業者を悩ませる“大問題”が。