市役所の車30台が被害に 75歳男の動機とは
FNNプライムオンライン
今年2月、東京・多摩市役所で公用車15台の窓ガラスが割られる事件が発生。ある車のフロントガラスには蜘蛛の巣状のヒビが広がり、また別の車には何かがめり込んだような跡が残されていた。
【画像】クレーマー、逆ギレ、トラブルメーカー。容疑者の素顔とは(画像21枚)
実は、ゴールでウィークが始まったばかりの4月末にも、同じように、公用車15台のガラスが割られるなどしたという。合わせて30台が被害に。一体、誰の仕業で、目的は何だったのか・・・。
5月3日、器物損壊の疑いで逮捕されたのは、無職の山中共治容疑者(75)。2月12日未明、多摩市役所の駐車場にとめてあった公用車15台のフロントガラスを割るなどした疑いがもたれている。
調べに対して山中容疑者は「多摩市役所の車両を壊したことに間違いありません」と供述。4月末の被害についても、山中容疑者の犯行とみられている。動機は、市の職員に対する「仕返し」だったという。
生活保護受給者の男 ”引っ越し”を拒否
取材によると、山中容疑者が、多摩市で暮らし始めたのは2005年。4年後には、病気を患い、生活保護を受給するようになった。受け取っていたのは13万円余り(生活扶助7万8000円、住宅扶助5万3000円)。これに対して、当時、住んでいたアパートの家賃は6万8000円だった。
多摩市の担当者は、山中容疑者に対して、家賃の安いアパートに引っ越すよう進言していたそうだ。しかし山中容疑者は「狭いところは嫌だ。住み慣れたので出て行きたくない」などと、なかなか聞き入れなかったとのこと。
案の定、山中容疑者は、アパートの更新料が払えなくなり、去年2月、ついに引っ越しを決意。多摩市では、荷物が多かったため、清掃業者を手配したという。翌3月になって、部屋を引き払うための作業が、2日間に渡って行われたそうだ。
「時計が捨てられた」 転居先でも近隣トラブルに
引っ越しに際しては、必要なもの・捨てるものを、事前に仕分けしておく段取りになっていたとのこと。ところが、引っ越し作業が行われた2日目の夕方、山中容疑者が、突然、「時計が入ったボックスが捨てられている」などとクレームをつけ始めたそうだ。
多摩市では、業者との間で、直接、話し合いの場を設けたが、山中容疑者は納得せず。5月には、市長に対して、山中容疑者の名前で、「市当局の犯罪だ。回答なくば次のステージに進むことになる」などと書かれた手紙が届いたという。
さらに、転居先のアパートでも、去年8月から、家賃を滞納するようになったという山中容疑者。周囲を取材すると、その評判も悪かった。ゴミの放置などの迷惑行為を繰り返し、注意をすると、”逆ギレ”して怒鳴り返してきたという。