(写真:読売新聞)
山梨県道志村の山中で発見された子供の後頭部とみられる骨について、ミトコンドリアDNA型鑑定の結果、2019年に行方不明になった小倉美咲さんの母とも子さん(39)の親族のものとみて矛盾しないと同県警が発表した。この鑑定結果を受け、とも子さんは12日夜、美咲さんの情報提供を求めるホームページで心境を明かした。「5月13日は美咲の10歳の誕生日であり、母親としては1年で一番一緒に過ごしてあげたい日です。その前日に今回のような鑑定の結果が出て、言葉にならない想(おも)いです」と吐露しつつ、「美咲と断定された訳ではないので、無事に戻ってくると信じている気持ちに変わりはありません」としている。
美咲さんは3年前の9月21日、家族や友人とキャンプ場を訪れ、友達を追いかけてテントから出た午後3時40分頃に目撃されたのを最後に、行方が分からなくなった。山梨県警や消防、自衛隊など延べ約1700人が約2週間にわたって捜したが、発見されなかった。
県警幹部らによると、骨などが見つかったかれ沢は、キャンプ場から直線距離で約600メートル離れた山中に位置する。周辺はザイルなしで立ち入るのは難しいほどの急斜面だが、当時、大規模捜索が行われた範囲内にあり、捜索に携わった幹部は「捜せるところはすべて捜した。そんな場所で人骨が見つかるとは思わなかった」と打ち明ける。
ただ、大雨などの後には水や土砂がこの沢に流れ込むことがあるといい、肩や腕とみられる骨、運動靴や衣類は、いずれも十数センチほど堆積(たいせき)した落ち葉や腐葉土の中から見つかった。
県警は現場の状況から、人為的に埋められた可能性は低いとみているが、現時点では事故と事件の両面から、捜索を続けるとともに慎重に調べを進めている。