町役場で報道陣の取材に応じる花田町長(19日)
山口県阿武町が給付金4630万円を誤って振り込み、回収できなくなった事件で、町のホームページへの接続が殺到し、つながりにくい状態が続いている。町の電話には苦情が相次ぎ、業務に支障が出てきている。
【写真】弁護士に相談後も連日出金、「返還意向」と矛盾…田口容疑者送検
町によると、同町福田下、無職田口翔容疑者(24)(電子計算機使用詐欺容疑で逮捕)を相手取り、町が全額返還を求めて山口地裁萩支部に提訴した今月12日以降、電話が急激に増えた。開庁時間の午前8持半頃から宿直対応の夜間まで、連日、代表電話がつながりにくいという。
ほとんどが匿名で「役場の対応がまずい」「町の公金を使ったとしたら許せない」といった内容。長時間にわたって持論を語ったり、職員に謝罪を求めたりする例もあるという。
町のフェイスブックには「(誤送金した)職員の責任はどうするのか」「振り込みミスがなければ彼の人生を狂わすこともなかった」といった書き込みが多く寄せられた。町のホームページも、つながりにくい状態が続いている。
花田憲彦町長は19日の記者会見で「職員は対応に疲弊しているが、耐えなくてはならない」と話した。