北海道・知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、専門業者「日本サルヴェージ」は21日、水深約120メートルの海底に沈んだ船体の引き揚げに向けた準備作業を始めた。
第1管区海上保安本部(小樽市)は同日、北方領土の国後島西岸で新たに見つかった遺体の近くで、「ソヤマ・アキラ」と名前が書かれた運転免許証が発見されたと発表した。事故では、甲板員の曽山聖さん(27)=東京都調布市=が行方不明となっており、同本部が関連を調べている。
19日にロシア側から外務省を通じて同本部に遺体発見の連絡があり、家族に伝えられた。国後島では6日にも女性の遺体が発見され、同本部は事故の行方不明者の可能性があるとみている。
作業は高い水圧に体を適応させた飽和潜水士が担当。21日は船体の開口部を全て閉めるほか、作業の妨げになるアンテナの撤去などを行う。