日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「 霞が関コンフィデンシャル 」。最新号から、ダイジェストで紹介します。
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奇貨居くべしの財務省
振り返れば、石破茂政権下では、官邸が政策や政局を主導する場面はめっきりと減った。官邸機能弱体化の一因が、スタッフの層の薄さだった。高市氏も石破氏と同様、霞が関人脈にかなりの偏りがある上、「相当な人見知りで、納得できない人材は周囲に置きたがらない」(経済官庁幹部)。このため、秘書官を含めた人事の成り行きが不安視されたものの、ふたを開ければ首相補佐官周辺にまで重厚なスタッフが配置された。
こうした人事には麻生太郎副総裁や参与に就いた今井尚哉氏による、安倍政権をモデルとした「成功体験再び」の狙いがあると見る霞が関官僚は少なくない。
一方、政局の動きを逐一見逃すまいと永田町に鋭敏なアンテナを張り巡らせる財務省さえ「あっ」と驚かせたのが自公連立の解消だった。新たな連立相手の維新は歳出削減に向けた医療・介護保険制度の見直しにも前向きで、日本医師会などの頑強な抵抗に社会保障見直しを跳ね返され続けた財務省にとっては「奇貨居くべし」の心境だ。
新政権では、維新の遠藤氏が首相補佐官として官邸の懐に飛び込んだ。通例なら首相補佐官のスタッフとなる秘書官に就くのは、省庁の課長補佐級だ。しかし国対委員長と首相補佐官を兼務し、名実共に政府・与党の政策決定の要役を担う遠藤氏に対しては、これまで補佐官の秘書官を送ってこなかった財務省が二つ返事で平成6年組の実力者を送り込んだ。7月に主税局審議官に就いたばかりだった岩佐理氏(旧大蔵省)だ。
〈 この続き では、岩佐氏の詳細なキャリア、麻生派議員の新秘書官について言及しています〉
※本記事の全文(約4500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年12月号に掲載されています( 霞が関コンフィデンシャル )。全文では下記の内容をお読みいただけます。
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「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2025年12月号






