猪瀬直樹議員「70枚もシップを保険料で負担する。本当に国が滅びますよ」「高齢者への仕送りで現役世代が血まみれ」「年収350万円で50万円」医療費について石破総理を国会で追及


【映像】目標は「シップ63枚死守」? 自民党の“シップ議連”メンバーは(国会で提示された写真)

 まず、猪瀬議員は5年前から毎年1兆円ずつ医療費が増えて現在48兆円になっていることを引き合いに出し、自民・公明・日本維新の会が3党合意したOTC類似薬(市販薬と効果やリスクが似る薬)の保険給付のあり方見直しを来年度予算編成のベースとなる「骨太の方針2025」に盛り込むことを石破総理に求めた。

 これに石破総理は「それは政党間の協議なので、内閣総理大臣として答えることが適切とは思わないが、問題意識は全く共有をしている」と答えた。

 続いて猪瀬議員は「(写真を見せながら)これは自民党のシップの議連、正確な名前は『医療用外用貼付剤』だ。医者にかかって保険適用でシップをもらう時の上限が2027年までは70枚、10袋。それが1袋減らして63枚、9袋になった。減らそうとして減らない。『もっと減らされたら困る』ということで、この議員連盟ができている。前に東大の薬学部がアンケートを取ったら押し入れにいっぱいある。こんなことをやると、全部それは処方箋のお金になって、調剤のお金になる。この“シップ議連”は積極的に活動しているようだが、閣議決定でセルフメディケーションで医療費を削減しようと決めている。こういう抵抗勢力と言っていいのか、圧力団体や与党の議連の意向が骨太の方針に影響を与えることのないように総理に確認したい」と述べた。

 これに対し石破総理は「医療の質を落とさないで医療費を削減していかないと、医療そのものの持続可能性がなくなる。このままほっておくと国民皆保険を維持できなくなる可能性がある。そのことはよく認識しながら、医療の質を落とさないように、一部の利益で全体の利益を損なうことがないように政府として考慮していく」と答えた。

 猪瀬議員は「一部の利益が全体の利益を損なうことがないようにということだ。70枚あるいは63枚もシップを保険料で負担する。現役世代の人がほとんど負担する形になるが、こういうことをやってたら本当に国が滅びますよ」と訴えた。

 次に猪瀬議員は健康保険組合連合会による試算を引き合いに出し、「医療機関でOTC類似薬のみ処方されたケースの医療費の合計が65歳未満に限っても年間1兆円にのぼる。だから、65歳以上を入れたら2倍以上、2兆円になる。このOTC類似薬は、その名の通りドラッグストアでも同じ成分のOTC薬が買えるので、もしこの人たちが薬をもらいに医者にかかるのではなくセルフメディケーションをするようになれば、医療機関でかかる初診料、再診料、処方箋料、調剤薬局での技術料などの医療費が大幅に削減できる。1兆円規模の医療費削減の可能性があることを認めてもらえるか」と質問した。

 石破総理は「ご指摘の健保連の試算も、その資料に『機械的な粗い試算であり、必ずしも処方の必要性を否定するものではない』と書いてある。だから、それを根拠に考えはないというつもりはない。これを試算として意味のあるものだと考えている。1兆円の可能性も私は否定をしない。そこにおいて、それを求める人たちにどれだけ適切な情報が提供されるかを担保することにおいて、OTCの普及は考えていかねばならない」と答えた。



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