提供:ウェザーニュース
今日5月28日(土)夕方、カムチャツカ半島のベズィミアニィ火山で大規模な噴火が発生しました。現地当局(KVERT)の監視カメラの観測では、噴煙は高度1万5000mに到達しているものとみられます。
※気象庁は18時05分に臨時の情報を発表し、1月のトンガの火山噴火時のような津波が発生しないか監視しています。
ベズィミアニィ火山は1955年以降たびたび規模の大きな噴火を起こしていて、近年も活発な火山活動を続けています。噴煙の高さのみで噴火の規模は比較できないものの、2019年3月にも今回と同程度まで噴煙を上げる噴火を起こしています。
ウェザーニュースの現時点での見立てでは、海水や湖水から離れた火口であることや過去の事例等から、空振による潮位変化(津波)の可能性は低いと考えています。
ウェザーニュースとKVERTが共同設置した監視カメラにも、噴煙が高く立ちのぼる様子が映されています。
カメラの位置
カメラ画像の中央の富士山様の山は「クリュチェフスカヤ山」(標高4750メートル)で、その左後ろに隠れる形でベズィミアニィの火口があります。
噴煙は南東に流れている
ひまわり8号 火山灰雲解析画像(ウェザーニュース作成)
噴煙は南東に流れていて、千島列島方面に拡散している様子が気象衛星ひまわり8号の画像から確認出来ます。
この画像は衛星が撮影した複数の波長の観測結果を合成したもので、火山灰雲と解析された部分がオレンジ色に見えています。ウェザーニュースではAI火山灰検知システムを運用し、航空機等への影響の有無を常に監視しています。
噴煙の状況次第では航空機に影響も
噴火により多量の火山灰が大気中に放出されると、それを吸い込んだ飛行機のエンジンが停止したり、操縦席の窓ガラスに傷が付いて見通しが利かなくなるなど、航空機の運航へ重大な影響を及ぼすおそれがあります。
今後の火山灰の状況次第では、カムチャツカ半島付近を発着する旅客機をはじめ、付近を通過する北米とアジアを結ぶ国際線の航空便の経路変更などで、遅延等の影響が生じる可能性があります。
噴火による潮位変化の可能性は気象庁が調査中
提供:ウェザーニュース
今年1月にトンガの火山フンガトンガ=フンガハアパイで大規模な噴火が発生した際には、通常とは異なる津波が発生して、日本にも津波が到達しました。
今回のベズィミアニィ火山の噴火により津波が発生するかどうかはわかりませんが、気象庁が潮位変化を監視する旨の発表を行いました。
※ベズィミアニィ:ロシア語のБезымянный(Bezymianny)。日本語ではベズイミアニとも書かれ、意味は「名無し(unnamed)」。
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