韓国の尹錫悦大統領
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は17日、就任100日の記者会見を開いた。日韓関係で最大の懸案となっている元徴用工訴訟について、「判決の(強制)執行の過程で、日本政府が憂慮する主権問題と衝突することなく、原告が補償を受けられるようにする解決案を検討している」と述べ、敗訴した日本企業の資産の現金化に伴う実害が出ない措置を準備していることを示唆した。
【元徴用工問題】日韓双方の主張
元徴用工訴訟に関しては、2018年に韓国最高裁(大法院)で、第二次世界大戦中に日本企業で働かされた韓国人の元徴用工らへの賠償を命じた判決が確定。日本企業が賠償に応じなかったため、日本企業が韓国国内に持つ資産の売却命令が出ており、一部の資産について19日にも売却命令が最高裁で確定する可能性がある。尹氏は日本との関係について、「北東アジアと世界の安保状況に照らしても、供給網と経済安保の次元から見ても、未来のために緊密に協力しなければいけない関係になった」と指摘。元徴用工訴訟や元慰安婦訴訟などの歴史問題について、「未来志向的な協力関係を強化する時、譲歩と理解を通じてより円満に早く解決できると信じている」と述べ、日本側の協力も求めた。【ソウル渋江千春】