“卍”がナチス想起? 『東リベ』コスプレがドイツで物議も…「日本側が訂正する必要はない」「誰が何のために使っているかが重要」


“卍”がナチス想起? 『東リベ』コスプレがドイツで物議も…「日本側が訂正する必要はない」「誰が何のために使っているかが重要」

ドイツのコミケで『東リベ』コスプレ、“卍”がナチス想起?

【映像】ドイツで行われた「コミケ」の様子 様々なコスプレ

 原因となったのは、特攻服などに使われている「卍(まんじ)」の文字。仏教で徳の象徴と言われ、家紋や地図記号としても広く使用されているが、これがあるものを想起させるという。それは「ハーケンクロイツ」。

 ハーケンクロイツとは、第2次世界大戦中にナチスが用いていた鉤十字の紋章。戦後、アウシュヴィッツ強制収容所などでの残虐行為が明らかになり、ハーケンクロイツや右手を掲げる敬礼など、そのシンボルを公共の場で展示・使用することはドイツで法的に禁止されている。似たデザインも禁止されていることから、東リべの卍がナチスを想起させるとして、問題視されたのだ。

“卍”がナチス想起? 『東リベ』コスプレがドイツで物議も…「日本側が訂正する必要はない」「誰が何のために使っているかが重要」

ドイツ刑法典 86条

 今回の件はドイツでどのように報じられているのか。ドイツ在住の東京女子大准教授でドイツ・ヨーロッパ近現代史が専門の柳原伸洋氏によると、「実はそれほど大きな話題にはなっていない」という。

“卍”がナチス想起? 『東リベ』コスプレがドイツで物議も…「日本側が訂正する必要はない」「誰が何のために使っているかが重要」

柳原伸洋氏

 また、「東京女子大学のロゴもハーケンクロイツにそっくり」だと説明。その上で、議論すべき点について次のように述べる。

 「『東京女子大学のマークはナチ党が使うより前に作られた』とは言えるが、いちいち説明をしないといけないので、名刺にはそのマークは使わない。1つ重要な点は、ハーケンクロイツというのはそもそも、19世紀に民族主義的、差別主義的、排外主義的な団体が使い始めて、それをナチスが用いて使ったということ。その時に“右卍”も“左卍”もあったわけで、今回のマークが逆だからということではなく、どういう意図や行動とともに使われたのかを知ることが重要だ」



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