17日、ウクライナ東部ハルキウで、ロシア軍の攻撃を受けた居住施設で消火活動をする消防隊員(ロイター)
【キーウ=笹子美奈子】ウクライナ国防省情報総局は17日、ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミアの軍用飛行場から、少なくとも戦闘機24機とヘリコプター14機を撤収したとSNSに投稿した。軍用飛行場などで起きた爆発を受けた措置だという。
(写真:読売新聞)
爆発は、今月9日にサキ軍用飛行場で、16日には北部の弾薬保管場で、それぞれ発生した。ロシア軍は爆発で軍用機9機を失ったとみられ、さらなる損失を防ぐため、戦闘機などの撤収を決めた模様だ。爆発の原因は明らかになっていないが、ウクライナ大統領府顧問はウクライナ側の関与を示唆し、露軍の関連施設での爆発は続くとの認識を示している。米CNNもウクライナ側の関与があったと報じた。CNNが入手したウクライナ政府の報告書によると、9日の爆発は手応えがあったが、露軍にとっては一時的な損失にとどまったとの見方が示されているという。
ロシア通信は17日、露軍の黒海艦隊に新任の司令官が着任したと伝えた。軍関係者には伝えられたが、公表はされていないという。前任の司令官は、4月に海軍旗艦の大型巡洋艦「モスクワ」が黒海沖で多数の死傷者を出して沈没した後、更迭されていた。
ウクライナ軍は南部で攻勢を強めている。ウクライナ軍は17日、ロシア軍が全域制圧を宣言している南部ヘルソン州の軍事拠点を攻撃し、露兵10~15人が死亡したとSNSに投稿した。
一方、ウクライナ東部ハルキウの州知事は17日、露軍が住宅街を攻撃し、6人が死亡、16人が負傷したとSNSで明らかにした。負傷者には11歳の少女も含まれるという。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はSNSで、「ミサイルによる攻撃だ。市民への卑劣な攻撃は正当化できない。報復する」と述べた。