数十万匹のコウモリの群れに飛び込んだタカ…その目には「止まった一匹」が見える

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[アニマルピープル] 個別の動きは変化に富むが、群れ全体は一定の方向に移動 特定地点を目掛けて突進… 衝突軌跡上のコウモリは止まったように見える 鳥、魚など他の群れの動物も類似している可能性も…ドローン、無人自動車に応用可能

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数十万匹のコウモリの群れに飛び込んだタカ…その目には「止まった一匹」が見える

数十万匹が規則的に洞窟から出て移動するメキシコオヒキコウモリを狩るアレチノスリ。 個別のコウモリを目掛けて群れの中で右往左往することはない=キャロライン・ブライトン、オックスフォード大学提供

数十万匹のコウモリの群れに飛び込んだタカ…その目には「止まった一匹」が見える

米テキサス州のオースティンでは150万匹に達するメキシコオヒキコウモリが生態観光の対象になっている=ピーター・ポートロール、ウィキメディア・コモンズ提供

数十万匹のコウモリの群れに飛び込んだタカ…その目には「止まった一匹」が見える

アレチノスリと捕獲されたコウモリの飛行軌跡。0.02秒間隔で撮影したアレチノスリとコウモリをつなぐ線が平行なのは、途中で混乱せず一定の方向を維持したことを示している=キャロライン・ブライトン提供

数十万匹のコウモリの群れに飛び込んだタカ…その目には「止まった一匹」が見える

地上から見てバラバラのコウモリの動き(上)。 飛行するタカの目には飛行軌跡に置かれたコウモリ(赤い点)が停止したように見える(下)=キャロライン・ブライトン提供

数十万匹のコウモリの群れに飛び込んだタカ…その目には「止まった一匹」が見える

トモエガモの群舞。地上で見るのとは違って、群れの中では互いの動きがそれほど混沌としていていないかもしれない=ハンギョレ資料写真

 数十万匹のコウモリの群れを狩る猛禽類を撮影して描き上げた3次元の飛行軌跡を詳しく分析したところ、意外な結果が出た。タカは個別のコウモリではなく、コウモリの群れの一点をめがけて突進した。

 英国オックスフォード大学のキャロライン・ブライトン博士研究員らは科学ジャーナル「王立協会公開科学(Royal Society Open Science)」の最近号に掲載された論文で、このような事実を明らかにした。研究者たちは米ニューメキシコ州のチワワ砂漠の洞窟に生息するメキシコオヒキコウモリを研究対象にした。

 このコウモリは、昼間は洞窟で休み、日が暮れる頃70万~90万匹が一斉に洞窟を抜け出して餌場に向かうが、アレチノスリやタカなどがこのコウモリを狩る。メキシコオヒキコウモリは水平飛行速度が時速160キロメートルに達するうえ、数千匹が目の前で各々飛行するため、猛禽類がどのように狩りをするのかはこれまで謎だった。

 研究者たちはコウモリであれ、鳥であれ、魚であれ、大きな群れを作れば、捕食者の攻撃を防ぐ効果があるとし、これを「混沌効果」と呼んだ。数多くの潜在的標的が目の前に現れ、それぞれ動けば一匹に集中して捕まえるのに困難をきたすというのだ。捕食者の目を引く危険性があるにもかかわらず、大きな群れを成す理由も、そのためだ。

 しかし、メキシコオヒキコウモリを対象にした様々な研究によると、猛禽類が群れの中に飛び込んで狩りをしようが、外で狩りをしようが、成功の確率はあまり変わらないことが分かったと論文は明らかにした。ならば、タカはどのように混沌状態の群れの中で混乱しないのだろうか。

 研究者たちは21日間、3台の高解像度ビデオカメラで狩りの様子を撮影し、アレチノスリとコウモリの飛行軌跡を3次元で構築した後、コンピューターモデリングで作った軌跡と比較分析した。その結果、アレチノスリは特定のコウモリを標的にして攻撃するのではなく、コウモリの群れ全体の特定地点に向かって飛行していることが分かった。

 一般的に猛禽類はアーチェリー選手が矢の軌跡を予想して弓を射るように、被食者がどこに向かうかを予想して飛行する。しかし、途中で被食者が方向を変えれば、まるで赤外線誘導ミサイルのように、随時方向を変えながら接近する。独りで飛ぶ鳥を狩るタカが代表的な例だ。

 しかし、コウモリ狩りをするアレチノスリは赤外線誘導ミサイルよりはアーチェリー選手に近かった。研究者たちはその理由を飛行する猛禽類の目にはコウモリが地上で人が見るのとは違って見えると説明した。

 ブライトン博士は「地上からだと、コウモリの群れの個体は勝手に動いているように見えるが、狩りをするタカのように動く観察者の目には違う風に映る」とし、「背景に動くコウモリとは異なり、衝突軌跡上のコウモリは、鷹の目には一方向にとどまっているように見える」と、同大学が出した報道資料で明らかにした。

 群れの個別コウモリの動きは変化に富むが、群れ全体は一定の方向に移動する。猛禽類は「群れの一地点に向かって飛んで行き、飛行経路に入ったコウモリが現れれば、爪を出して捕らえる」と論文は書いた。

 実際、 アレチノスリはコウモリの群れの中で混乱していないことが分かった。 研究者たちは「アレチノスリが大きな群れを好む理由も、コウモリが飛行経路に入る確率が高くなるため」だと説明した。また「今回の研究結果に照らして、群れを成す鳥と魚などを狩る他の捕食者も似たような行動をとっている可能性がある」と付け加えた。

研究に参加した同大学のグラハム・テイラー教授は「群れを成す行動がそのなかに飛び込む捕食者の目には私たちの目に映るほど混沌としていないという今回の研究結果は、他の群れる動物だけでなくドローンと自動運転車などにも適用できる」と語った。

引用論文:Nature Communications,DOI:10.1038/s41467-022-32354-5

チョ・ホンソ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
韓国語記事入力: 2022-08-2516:30
https://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/ecology_evolution/1056118.html 訳H.J

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