パキスタンの洪水「史上最悪」 被災者支援急ぐ


パキスタンの洪水「史上最悪」 被災者支援急ぐ

パキスタン中部パンジャブ州で起きた洪水被害の前(左、2022年4月4日撮影)と後(右、同年8月30日撮影)を比較した衛星写真。米衛星画像企業プラネット・ラブズPBC提供(2022年8月30日作成)。【翻訳編集】 AFPBB News

【写真】インダス川の氾濫前と後を比較した衛星写真

 同国では、6月から続くモンスーン(雨期)の豪雨が引き起こした洪水で、人口の7分の1に当たる3300万人以上が被災。当局や慈善団体は救援物資の配布を急いでいるが、多数の道路や橋が破壊され孤立した地域では支援が困難となっている。

 ここ最近でトルコやアラブ首長国連邦(UAE)からの支援物資が到着したほか、カナダやオーストラリア、日本なども支援を表明。国連(UN)は30日、1億6000万ドル(約220億円)の緊急支援を正式に要請した。

 水没を逃れた場所では、避難者が寝る場所や食料、飲料水を探し求めている。南部スックル(Sukkur)近郊の道路で親族と野営をしていたカーディルさん(35)は「道路沿いに3日歩いてここに着いた。家には何も残っていない。自分たちの命を救うのがやっとだった」と話した。

 南部や西部では、水没した平野部を避けようと、高架の道路や線路に人々が密集。中部デラガジカーン(Dera Ghazi Khan)の女子生徒リムシャ・ビビさんはAFPに、「食料を料理する場所すらない。助けが必要だ」と話した。

 各地では学校、高速道路、軍事基地などに仮設避難所が設置されている。北西部ノウシェラ(Nowshera)では、専門学校が最大2500人を受け入れる避難所となった。避難者は、夏の暑さや、不定期な食料援助、水不足に苦しんでいる。

「こんな生活をしなければいけないなんて思いもしなかった」と、マラン・ジャンさん(60)は嘆く。「私たちは楽園を失ってしまった。今は惨めな生活を送らなくてはいけない」 【翻訳編集】 AFPBB News



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