クエンティン・タランティーノ監督作で知られる俳優マイケル・マドセン氏死去 67歳

『キル・ビル』や『レザボア・ドッグス』など、クエンティン・タランティーノ監督の多くの作品で強烈な印象を残したベテラン俳優マイケル・マドセン氏が、現地時間3日に67歳で死去しました。AP通信など複数のメディアが報じました。

タランティーノ監督作「キル・ビル」などで知られる俳優、マイケル・マドセンさんタランティーノ監督作「キル・ビル」などで知られる俳優、マイケル・マドセンさん

マドセン氏のマネージャーは声明を発表し、同氏がこの日午前、カリフォルニア州マリブにある自宅で亡くなったことを明らかにしました。自宅で意識がない状態で発見され、駆けつけた警察官と救急隊員によってその場で死亡が確認されたとのことです。

死因と状況

警察はマドセン氏の死について、他殺の可能性は疑われないとの見解を示しています。一方、マネージャーは死因は明白な心臓麻痺であると伝えています。

輝かしいキャリア

マイケル・マドセン氏は1980年代初頭から俳優としての活動を開始し、300本を超える映画やテレビドラマに出演しました。特にクエンティン・タランティーノ監督との数々のコラボレーションに加え、低予算のインディペンデント映画界でもその存在感を発揮しました。

タランティーノ作品での活躍

ウーマ・サーマン主演のヒット作『キル・ビル』(2003年、2004年)では、主人公の復讐のターゲットの一人である「バド」役を演じました。また、タランティーノ監督の名を一躍世界に知らしめた1992年の『レザボア・ドッグス』では、「Mr.ブロンド」役として登場し、その冷酷な演技で観客に強いインパクトを与えました。

その他の主な出演作

タランティーノ作品以外にも、ロードムービーの傑作『テルマ&ルイーズ』(1991年)、ジョニー・デップとの共演作『フェイク』(1997年)、ジェームズ・ボンドシリーズ『007 ダイ・アナザー・デイ』(2002年)、独特の映像美で話題を呼んだ『シン・シティ』(2005年)、再びタランティーノと組んだ『ヘイトフル・エイト』(2015年)、そしてタランティーノの近作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年)など、数多くの著名な作品に出演しています。

彼の言葉と活動状況

マドセン氏は2008年のインタビューで、「期待が最も低いか、うまくいくと予想しない時に立派な映画を作ることになる」と語り、「今後何が起きるか分からないので、私はただ長生きしたい」と話していました。最近まで精力的に活動を続けており、マネージャーによると、現在も数本の長編映画が公開を控えている状態でした。

私生活の苦悩

彼の私生活には苦難もありました。飲酒運転で過去に2度逮捕された履歴があります。また、元妻との間に激しい確執があったほか、息子が自殺で命を絶つという辛い経験もしています。

まとめ

独特の存在感で多くの映画ファンに愛されたマイケル・マドセン氏の死去は、映画界にとって大きな損失です。彼の功績は、出演した膨大な数の作品を通じて、これからも多くの人々に記憶され続けるでしょう。