[ad_1]
ロシアのプーチン大統領が16日、ウズベキスタンで臨んだ記者会見でウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)の制圧を目指す方針の堅持を表明したのは、戦況の悪化で動揺する国内の沈静化を図る狙いがあった。プーチン氏は、軍部批判を強める強硬派に突き上げを食う形ともなっている。
【表】一目でわかる…ロシアの戦力はウクライナを圧倒している
大敗の責任
16日、ウズベキスタンのサマルカンドで開かれたSCO首脳会議閉幕後に記者会見するプーチン露大統領(AP)
「作戦の進め方は、軍参謀本部が決めている」
プーチン氏は記者会見で、一時はロシアへの併合の準備まで進んでいた東部ハルキウ州で露軍が大敗した責任は、自身にはないとアピールする発言が目立った。
大敗を受け、強硬派の批判は国防省や軍参謀本部に向いている。11日には、ウクライナに部隊を派遣している南部チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長がSNSへの投稿で「戦い方をすぐに見直さなければ、失敗を犯した国防省や軍参謀本部の指導層と談判する」と激烈な批判を展開したことが注目を集めた。
カディロフ氏はその後、地域ごとに「志願兵」を集め、計約8万5000人を追加派兵すると提唱し、ひとまず矛を収めた。強い忠誠を誓うプーチン氏の立場に配慮した可能性がある。
だが、強硬論はそれにとどまらない。最大野党・共産党のゲンナジー・ジュガーノフ議長も13日、政権が「特殊軍事作戦」だと主張している侵略が「全面戦争に発展した。戦争は最後まで戦わねばならない」と総動員の必要性を示唆した。
動向を静観
SNS上で「軍事ブロガー」と呼ばれる一人も15日、ウクライナへの核兵器使用を主張したとも受け取れる投稿を行い、「とても怒っている」と書き込んだ。
(写真:読売新聞)
政権は反戦機運を抑え込むため、こうした強硬論をプロパガンダに利用してきた。軍に関する「虚偽情報」を広める行為に厳しい罰則を設けてはいるものの、処罰に踏み切るのが難しい事情がある。一方、総動員などの全面戦争に踏み切れば、作戦の失敗を事実上、認めるだけでなく、国内世論が反戦に傾きかねない。
プーチン氏としては、作戦の堅持を訴え続けるとともに、責任をひとまず軍部などに転嫁する以外に選択肢はないようだ。ウクライナで短期的な戦果は期待できないため、強硬論の抑え込みには動かず、その動向を静観している模様だ。
[ad_2]
Source link