
(写真:朝鮮日報日本語版)
ウクライナ軍がこれまでロシア軍に完全掌握されていた東部ドンバス地域のルハンシク州に進撃している。米CNNテレビが5日(現地時間)に報じた。今年7月にロシア軍の攻勢を受けて後退して以来、ウクライナ軍がこの地域に再び入るのは今回が初めてだ。ルハンシク州はロシアが自国領土への編入を宣言したウクライナ東部と南部の4州のうち、唯一ロシア軍が全地域を掌握した州だ。各地で戦況が逆転すると、ロシア軍はイラン製の自爆ドローンを使ってウクライナの首都キーウ近郊を攻撃するなど反撃に乗り出している。しかし今後の戦況はロシアにとって不利になることが予想されるため、予備役を動員しても目に見える成果が出ない場合、ロシアは戦術核兵器の使用に乗り出すとの懸念も浮上している。
【動画】ウクライナ軍の携帯用対空ミサイル、ロシア軍の攻撃ヘリを一発で撃墜
CNNは「テレグラムなどSNS(交流サイト)にアップされた写真を分析したところ、ウクライナ軍の歩兵部隊はルハンシク州の一部地域に進駐しているようだ」と報じた。ウクライナ側のハイダイ・ルハンシク州知事も「ウクライナ軍によるルハンシク州奪還が本格化した」「占領された複数の村が解放され、各地でウクライナ国旗が掲げられている」とコメントした。ウクライナ軍による奪還作戦はドネツク州やルハンシク州など東部ドンバス地域、さらにヘルソン州やザポリージャ州など南部でも大きな成果を上げている。今月初めにウクライナ軍は東部の交通と補給の要衝とされるリマンを奪還し、ロシア軍に大きな打撃を与えた。リマンはドネツク州はもちろんルハンシク州などを掌握するには必ず確保しなければならない地域だ。キーウ・インディペンデントなどウクライナの複数のメディアは「ヘルソンやザポリージャなど南部でも数十の村を取り戻すなど、ウクライナ軍の攻勢は続いている」と伝えた。
これに対抗するためロシア軍は占領地の防衛を強化する一方、ウクライナ後方への奇襲攻撃も同時に続けている。先月21日の予備役部分動員で補充される兵力が到着するまでの時間稼ぎとの見方もある。ロシア軍はイランから輸入したドローンによる攻撃も開始した。ロシア国防省はこの日「(ウクライナに奪われた)ヘルソン州のドゥチャニとダビド・ブリドの二つの地域に空爆を行った」と発表した。ロイター通信はウクライナ当局の発表として「ロシア軍はキーウから南に75キロ離れたビラ・ツェルクバで建物にイラン製ドローン『シャハド136』6機を突っ込ませ破壊した」「大きな爆発音とともに複数の建物が炎に包まれ、住民は避難した」と報じた。