鉄道輸送に依存するロシア軍、クリミア大橋の損傷がもたらす影響

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8日早朝に発生した爆発の影響でクリミア大橋の通行は禁止されており復旧の目処も立ってないが、ロシア軍の兵站は鉄道輸送に依存しているためクリミア大橋の通行禁止が長引くとウクライナ南部への補給状況が更に悪化するだろう。

ウクライナ東部と南部の鉄道輸送はザポリージャ~ドネツクの防衛ラインを突破出来なかったため繋がっていない

クリミア大橋はロシア本土とクリミアを結ぶ全長18.1kmの鉄道道路併用橋で、8日早朝に発生した爆発の影響で鉄道橋の一部が損傷、道路橋の片側車線が崩壊する被害を被り、現在は通行が禁止されクリミアへの交通手段はケチルとチュシカを結ぶフェリーのみに限定されている。

鉄道輸送に依存するロシア軍、クリミア大橋の損傷がもたらす影響

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

今回の爆発について様々な原因が浮上しているもののロシア側もウクライナ側も公式な声明を出していないため、今のところ事故なのかウクライナ軍による攻撃なのかは不明だが、なぜクリミア大橋への攻撃が致命的なのは上の図を見れば一目瞭然だ。

ロシア軍の兵站は鉄道輸送に依存しており、クリミア大橋を経由することでロシア本土から直接クリミアのジャンコイ、ザポリージャ州のメリトポリ、ヘルソン州のノーバ・カホフカ方面に装備や物資を輸送することでき、車輌輸送にかかる負担を大幅に軽減してくれていた。

鉄道輸送に依存するロシア軍、クリミア大橋の損傷がもたらす影響

出典:Rosavtodor.ru/CC BY 4.0 クリミア大橋

ロシア軍がドニプロとドネツク周辺を制圧出来ていれば、ロストフ・ナ・ドヌー~ドネツク~ドニプロ~メリトポリ経由の鉄道輸送が開通していたのだが、ロシア軍はザポリージャ~ドネツクの防衛ラインを突破することが出来なかったため、ウクライナ東部と南部の鉄道輸送は繋がっていない。

つまりクリミア大橋を使用できなくなるとヘルソン州やザポリージャ州への兵站は、チュシカ~ケチルをフェリーで移動→ケチル~ジャンコイまで鉄道輸送→ジャンコイ~ヘルソンまで車輌輸送という複雑な兵站になるか、ドネツクからヘルソン州やザポリージャ州まで車輌輸送による兵站になってしまい、貨物の積み下ろし作業の多くを手作業に頼るロシア軍にとっては非常に深刻な問題だ。

因みに露国営メディアの動画に道路橋の崩壊部分が映ってないのは、ロシア当局が「クリミア大橋の爆発で損傷したことを強調して破壊されたことを伏せろ」と指示しているためで、他にも「橋の復旧に向けた作業が始まっている」「新たな物流ルートが開設されたこと」を強調するよう指示しているらしい。

追記:クリミア大橋で車輌の通行が再開、鉄道の運行もまもなく再開されるらしい。

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※アイキャッチ画像の出典:Telegram

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