12日、ニューヨークで開かれた国連総会の緊急特別会合=AP
【ニューヨーク=寺口亮一】ウクライナ情勢に関する国連総会の緊急特別会合は12日午後(日本時間13日午前)、ロシアと親露派がウクライナ東・南部4州で「住民投票」を強行し、一方的に併合を宣言したことを違法と非難し、無効だと宣言する決議を圧倒的な賛成多数で採択した。
賛成は、ウクライナをはじめ欧米や日米など143で、国連加盟国の約4分の3にあたる。反対はロシア、ベラルーシ、北朝鮮、ニカラグア、シリアの5、棄権は中国やインドなど35だった。総会での重要問題の採択に必要な投票の3分の2以上の賛成を得た。棄権は投票数には数えない。
国連総会はロシアがウクライナ南部クリミアを併合した2014年3月にも、クリミア併合を無効とする決議を賛成多数で採択している。総会決議に法的拘束力はないが、欧米は「偽りの住民投票」を根拠に4州の併合を認めない国際社会の声として、ロシアに圧力を高めたい考えだ。