あだなは「アルマゲドン将軍」 ウクライナ侵攻の新総司令官、スロヴィキン将軍とはどんな人物か

[ad_1]

あだなは「アルマゲドン将軍」 ウクライナ侵攻の新総司令官、スロヴィキン将軍とはどんな人物か

あだなは「アルマゲドン将軍」 ウクライナ侵攻の新総司令官、スロヴィキン将軍とはどんな人物か

「アルマゲドン(最終戦争)将軍」の異名を持つロシアのセルゲイ・スロヴィキン将軍は、ウクライナとの戦争における、ウラジーミル・プーチン大統領の新戦術と言える人物だ。

ロシア本土と同国が併合したウクライナ南部クリミア半島をつなぐ橋で爆発が起きてから数時間後、ウクライナでの軍事作戦を統括する司令官に航空宇宙軍のスロヴィキン総司令官が任命されたと発表された。

司令官としての初仕事の日には、ウクライナ各地が多数のミサイル攻撃を受けた。ここ数カ月で最も大規模な連続攻撃の1つだった。

ロシアの戦争遂行ぶりは足元が揺らいでいる。しかし、スロヴィキン将軍は実は、この戦争に初めて参加するわけではない。すでにウクライナ南部で部隊を指揮していたし、開戦前日にはその軍事的影響力とプーチン大統領との関係を理由に欧州諸国から制裁を受けていた。

ロシアがウクライナでの軍事作戦全体を担う総司令官を正式に指名したのは、今回が初めてのようだ。それまでは、アレクサンドル・ドヴォルニコフ将軍が、総司令官だと複数メディアが報じていた。

では、新たな司令官は一体どんな人物なのだろうか。

■シリア内戦、チェチェン紛争などに関与

1966年にシベリアのノヴォシビルスクで生まれた55歳のスロヴィキン将軍は、近年ロシアが関与した数々の戦争に従事してきたベテラン軍人だ。

1980年代後半にアフガニスタンで現役軍人としてのキャリアをスタートさせた。英イーストアングリア大学のロシア史・文化教授ピーター・ウォルドロン氏は当時について、「極めて不利な状況」、つまりソヴィエト連邦が負けている状況だったと振り返る。

そうした戦況がスロヴィキン氏の人格と評判を形成したと、ウォルドロン氏は指摘する。スロヴィキン氏は当初から、「相当な暴力行為」に大きく関与していたという。

1991年にモスクワで起きたクーデター未遂では、軍用車両と民主化運動参加者の衝突が起き、3人が死亡した。BBCロシア語サービスによると、抗議者が道路をふさぐ中、スロヴィキン氏が走行命令を出したという。

スロヴィキン氏への告訴はその後、命令に従っていたとの理由から取り下げられた。

それから4年後、フルンゼ陸軍士官学校在学中には、クラスメイトに拳銃を不法に販売したとして、執行猶予付きの有罪判決を受けた。スロヴィキン氏は「はめられた」と主張し、有罪判決は後に経歴から抹消された。

1990年代のタジキスタンやチェチェンでの紛争、そして最近では2015年にロシアがアサド政権側に付いて介入したシリア内戦に参加した。

空爆作戦の経験がないにも関わらず、ロシア航空宇宙軍の司令官として、シリア北部アレッポの大部分を消滅させた空爆を指揮した。

英イーストアングリア大学のウォルドロン教授は、ロシアはシリア内戦に介入し、無制限の空爆と民間人への攻撃を繰り広げたと指摘する。ロシア軍の攻撃の責任者だったスロヴィキン氏は、「必要などんな手段も使う用意があるのは明らか」だったという。

米ワシントンを拠点とするシンクタンク「中東研究所」のシリア・プログラム責任者、チャールズ・リスター氏は、スロヴィキン氏は「敵に対して絶対的に容赦ない態度」をとり、戦闘員と民間人を同一視していると話す。

スロヴィキン氏の指揮のもと、ロシア部隊は神経ガス「サリン」の使用隠ぺいに関与したと、リスター氏は言う。 シリア北西部ハーン・シェイフンで80人以上が死亡した化学攻撃が起きる数分前に、シリアの航空機にサリンが積み込まれるのをロシア部隊が目撃していたのだという。

2017年、プーチン氏はスロヴィキン氏のシリアでの任務を称え、ロシア最高の栄誉「ロシアの英雄」の称号を与えた。一方で国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、スロヴィキン氏が人権侵害の責任を問われる可能性があるとしている。

■「残忍で、非常に強硬で不快な人物」

スロヴィキン氏の指揮下にある兵士たちは、民間人に暴力行為をしたとして幾度も非難されてきた。チェチェン紛争では戦闘員が「浄化作戦」として民間人の家に押し入り、地元住民が殴られたと複数の目撃者が証言していると、BBCロシア語サービスは伝えている。

スロヴィキン氏はこうした告発を否定している。

「残忍で、非常に強硬で不快な人物」という評判は30年以上にわたって確立されてきたと、イーストアングリア大学のウォルドロン教授は言う。

こうした人間性は戦場でも、戦場以外でも垣間見える。

米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)によると、士官学校を卒業してわずか2年後の2004年、政治的見解を理由に部下の兵士1人を殴打したとされたが、兵士は後に訴えを取り下げた。

同年、親ロシア政権の新聞「コメルサント」は、スロヴィキン氏が大佐の1人を呼びつけて叱責したと報じた。直後に兵士は銃を使って自殺したという。

では、なぜプーチン氏はこの人物を司令官に任命したのだろうか。ウォルドロン教授は、物事の展開がうまくいっていないと認めたのは明らかだと言う。

「物事が計画通りに進んでいるなら、軍の司令官を変えたりしない」と、教授は付け加えた。「この段階で司令官を変えれば、部隊の中の気風は変わるかもしれない。しかし、それが(戦闘)能力に変化をもたらすかどうかは疑問だ」。

スロヴィキン氏が残酷だという評判は、必ずしも領土の獲得にはつながらないかもしれない。それでも、同氏の司令官就任を歓迎する声はある。

プーチン氏の盟友でロシア・チェチェン共和国トップのラムザン・カディロフ氏や、ロシアの雇い兵組織「ワグネル」創設者エフゲニー・プリゴジン氏は、スロヴィキン氏を称賛する。「プーチンのシェフ」の異名をもつ実業家のプリゴジン氏は、スロヴィキン氏はロシア軍で「最も有能な司令官」だと述べた。

おそらくプーチン氏は「象徴的な任命」を行ったのだろうと、ウォルドロン教授は話す。

「残忍だという世評を得た人物を起用したわけだ。プーチン氏はこれ以降どのように戦争を進めていくつもりか、ウクライナに合図を送ろうとしているのだろうか」

(英語記事 Who is Putin’s hard-line new commander in Ukraine? )

(c) BBC News

[ad_2]

Source link