ポーランド国防相、もはやUAVを保有しない近代的な軍隊は存在しない

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ポーランドのブラスザック国防相はTB2が国内に到着したことを受け、ウクライナでの結果を見れば偵察にも攻撃にも使用できるTB2の有効性は明らかで「もはやUAVを保有しない近代的な軍隊は存在しない」と述べて注目を集めている。

自衛隊が本格的にUCAVやUAVを導入すればポーランドが直面した批判=無人機への誤解や理解不足が原因の抵抗に晒される可能性が高い

トルコ製UCAVのTB2がNATO加盟国のポーランドに初めて引き渡され、この取引を野党に散々批判されてきたブラスザック国防相は式典で「ウクライナでの結果を見れば偵察にも攻撃にも使用できるTB2の有効性は明らかだ。もはやUAVを保有しない近代的な軍隊は存在しない」と述べて注目を集めている。

ポーランド国防相、もはやUAVを保有しない近代的な軍隊は存在しない

出典:Poland MOD

ポーランドはNATO加盟国として初めてトルコ製UCAVのTB2を2021年に発注(24機)したが、この取引は野党に「有人機の戦闘機と比較して機体性能が劣るTB2が正規軍相手に役に立つはずない」「TB2による対地攻撃ミッションなど高度な防空システム相手に撃墜されるだけ」「政府は金をトルコに無駄に流出させている」などと散々批判されてきたため、ブラスザック国防相は式典で「ウクライナでの結果を見れば偵察にも攻撃にも使用できるTB2の有効性は明らかだ。もはやUAVを保有しない近代的な軍隊は存在しない」と述べた。

この手の批判は「TB2を含むUCAV」を高度な有人戦闘機と比較するため無人機に対する誤解が生まれており、ブラスザック国防相も精力的に国内の誤解を払拭するため言葉を尽くしてきたが、ウクライナで効果を証明するとTB2導入に対する批判はほぼ沈静化してまう。

ポーランド国防相、もはやUAVを保有しない近代的な軍隊は存在しない

出典:Головнокомандувач ЗС України

UCAVはISR任務に特化したUAVよりも機体が比較的大型なので高性能なEO/IRセンサーを搭載しており、TB2に搭載されたMX-15Dは最大75km先の車輌を認識でき、組み込まれたレーザー距離計は最大20km先にある目標の位置を測定することができ、UCAVのハードポイントには追加のSIGINT機材やジャミング装置を搭載することも可能なのでUCAVの多用途性や柔軟性は高く、対地攻撃能力ばかり強調されるTB2もISR任務に投入されることが多い。

勿論、TB2は精密誘導兵器を携行すればISR任務で発見した目標を破壊することもできるが、TB2が認識できる範囲に対する攻撃手段(ミサイル、徘徊型弾薬、榴弾砲、自走砲、多連装ロケットシステムなど)は他にもあるため、軍全体から見ると「敵防空システムに撃墜される可能性が高い空域」にTB2をわざわざ侵入させて地上の標的を叩く必要性は低く、ブラスザック国防相も「TB2は単独で作動するのではなく他の軍事資産と連携して相乗効果を発揮することが重要」と述べている。

ポーランド国防相、もはやUAVを保有しない近代的な軍隊は存在しない

出典:Генеральний штаб ЗСУ

つまりブラスザック国防相がTB2の引き渡し式典で「ウクライナでの結果を見れば偵察にも攻撃にも使用できるTB2の有効性は明らか」と述べたのは、高性能なEO/IRセンサーを駆使して砲兵戦力の目になっていると言いたいのだろう。

無人機と一言にいっても人間が運べるサイズの小型機から有人機に匹敵するサイズの大型機まで存在し、その多くがプロペラ機なので高性能なジェット戦闘機や高度な防空システムを保有する国から見ると「ラジコンに毛が生えた程度の無人機に何が出来るのか」と懐疑的に捉えがちだ。

ポーランド国防相、もはやUAVを保有しない近代的な軍隊は存在しない

出展:Photo by Spc. Latoya Wiggins

しかし米陸軍参謀総長のマコンヴィル大将はウクライナ軍のTB2が活躍し続ける理由について「高度な防空システムを隙間のない壁のようにイメージして『脅威はこれをすり抜けることが出来ない』と考えるかもしれないが、実際にはこれを回避する方法もあるし突破する戦術もある」と述べており、米ディフェンスメディアも「防空システムはあらゆる高度を飛行する目標を確実に検出できる訳ではない。全ての空域を完全にカバーすることは不可能で、24時間以上も戦場をうろつくことができる無人機は脆弱な部分から侵入してインパクトを十分残せる」と主張しているのが興味深い。

日本メディアもTB2=UCAVの有効性を「対地攻撃」でしか取り上げないなため、自衛隊が本格的にUCAVやUAVを導入すればポーランドが直面した批判=無人機への誤解や理解不足が原因の抵抗に晒される可能性が高いが、このあたりはメディアや有識者の方が有人機とは異なる「UCAVやUAVの役割」を国民に周知(本来は防衛省の役目)していくしかないのだろう。

追記:米空軍は「中国との戦いにレガシーなMQ-9は役に立たない」と主張して近い内に退役させると主張していたが、TB2が対地攻撃だけでなくISR任務や戦場の通信セルとして効果的だったことを受けて「非ステルスのMQ-9」に対する評価が見直されている。

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※アイキャッチ画像の出典:Poland MOD

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